項羽と劉邦 鴻門の会
(王的盛宴/The Last Supper)
story
紀元前195年、中国。晩年の劉邦(リウ・イエ)は悪夢にうなされていた。彼を苦しめているのは、彼の人生でもっとも重要な因縁を持つ2人の男、項羽(ダニエル・ウー)と韓信(チャン・チェン)だった。
側室の威夫人(フォ・シーヤン)が劉邦の世話をしているところへ、皇后である呂雉(チン・ラン)が現れ威夫人を下がらせる。彼女は劉邦の苦しみを解くため、計略を用いて韓信を殺害。苦渋の決断をした宰相の蕭何(シャー・イー)が韓信の首を差出すのだった。
劉邦は初めて韓信と出会った昔を思い起こす。田舎から仲間を連れて都へ出て来た平民の劉邦は48歳。項羽はまだ24歳で実力も容姿も優れ、美しい妻も持つ完璧な男。しかも、すでに秦を倒すための軍を率いていた。風来坊の韓信は、通りがかった劉邦に食糧をもらったことを覚えていた。
14年前、劉邦は人質となった妻を救うため、項羽に助けを求めて5000人の兵と鎧兜をもらう。その時、韓信も項羽の兵となっていた。それから秦を倒すため共に闘った項羽と劉邦は、11年前の鴻門の会をきっかけに、敵対関係となっていく。この頃に、韓信は劉邦の軍に加わり、垓下の戦いで項羽を破ることになるのだが…。
●アジコのおすすめポイント:
ダニエル・リーに続いて、中国のルー・チュアン監督による『項羽と劉邦』の登場です。こちらは中国、香港、台湾のイケメン3大スターを起用。一番若いリウ・イエが老けメイクをして劉邦を演じていますが、項羽と韓信は凛々しさが際立っています。ダニエル・リー版がアクション&サスペンス要素が強いエンターテインメント作品になっているのに対し、こちらはその後の劉邦が過去を思い浮かべ、書記に正しく記録させていくという人間ドラマ仕立て。場面も過去と現在を行き来して、劉邦や彼を助けた人々の苦しみが中心に描かれていきます。鴻門の会での対決も、軍師の囲碁対決から、腹心による剣の舞い対決に。ちなみに劉邦の軍師、張良を演じているのはチー・ダオ。どこかで見た顔だなあ…と思ったら、ルー・チュアン監督の『ココシリ』でデビューし、流砂にのまれる男を演じたキィ・リャンでした。
|