logo

p1

監督:リティ・パニュ
脚本:リティ・パニュ
テキスト:クリストフ・バタイユ
撮影:プリュム・メザ
編集:リティ・パニュ、マリ=クリスティーヌ・ルージュリー
人形制作:サリス・マン
音楽:マルク・マーデル
ナレーション:ランダル・ドゥー

2013年/カンボジア・フランス
日本公開日/2014年7月5日
カラー/95分
配給:太秦
(c)CDP/ARTE France/Bophana Production 2013
2013年 カンヌ国際映画祭 ある視点部門グランプリ
2013年 シネマニラ国際映画祭 審査員大賞
2013年 ヘント国際映画祭 スペシャルメンション
2013年 エルサレム映画祭 ドキュメンタリー賞
2014年 イスタンブール国際映画祭 FACE賞

p2

p3

p4

消えた絵/クメール・ルージュの真実
(L'Image Manquante/The Missing Picture)

story

 青い海。揺れる波間。遠い記憶。かつて破壊された街に残っていたリール缶。フィルムは劣化し、映像はすでに失われている。当時、生きていた人々はどんな暮しをしていたのか。どうなっていったのか。人形が現れる。土で形を整えられ、刀で入念に削り取られ、色が付けられる。犠牲者が眠る大地の土から作られた人形に魂が宿っていく。

 幼い頃の街の風景。色彩りどりの街並と活気に溢れた人々。民族衣装の踊り子たちがダンスを踊る。両親や親戚、友人たち。平和で穏やかな日々。そこへある日、赤い旗を掲げ、赤いスカーフを巻いたクメール・ルージュたちが銃を持ってやってくる。人々は集められ、性別や年齢で分けられ、服を黒く染めさせられる。

 強制収容所での日々が始まる。強制労働キャンプの劣悪な環境の中、飢餓と過労で両親や親族を亡くした少年は、ついにタイとの国境を抜け、たったひとりでカンボジアを脱出。クメール・ルージュから逃亡する…。

●アジコのおすすめポイント:

逃亡後、留学していて難を逃れた兄たちの住むフランスへ渡り、芸術や映画を勉強。映像作家になってからは、一貫して自身が体験したクメール・ルージュによる大虐殺をテーマに作品を作り続けているのが、本作のリティ・パニュ監督です。フィクションとドキュメンタリーの両方で国際的評価の高い巨匠ですが、日本で劇場公開作品として紹介されるのは本作が初めて(昨年の東京フィルメックスで初上映)。記録映像や証言などから作られるドキュメンタリーとは違い、素朴な人形たちが過酷な体験を再現。合間に当時プロパガンダとして作られた映像や、犠牲者の写真などが差し込まれています。脱北青年の心情を綴った『北朝鮮強制収容所に生まれて』では、当時の再現としてアニメーションが使われていましたが、犠牲者が眠る大地の土から作られたという多数の人形たちによる映像は、不思議なリアリティを伴って訴えてきます。これまでに語ることのなかった、自分自身の体験を描いたという本作。じっくりとご覧ください。



p8


p5p6p7

▼公式サイト 閉じる