セシボン(C'est Si Bon)
story
引退して田舎で暮らす、かつての人気作曲家イ・ジャンヒ(チャン・ヒョンソン)を若い女性が訪ねて来る。40年前に一世を風靡した音楽ホール「セシボン」から誕生した人気デュオ「ツインフォリオ」を招いてのコンサートを企画中という。ジャンヒがプロデュースしたそのグループには、デビュー直前に脱退した3人目のメンバーがいた。
70年代初頭、若者の街・武橋洞にある音楽ホール「セシボン」は、若者たちの熱気で溢れていた。皆のお目当ては、当時の人気スター、チョ・ヨンナム(キム・イングォン)。毎週行われる「大学生の夜」では、美声でイケメンのユン・ヒョンジュ(カン・ハヌル)と、実力派のソン・チャンシク(チョ・ボンネ)が優勝を争っていた。
「セシボン」のキム社長(クォン・ヘヒョ)は、才能ある若者のイ・ジャンヒ(チング)をプロデューサーに、永遠のライバルであるユン・ヒョンジュとソン・チャンシクで専属デュオを結成させようと計画。ジャンヒの提案で、たまたま見つけたバリトンのオ・グンテ(チョンウ)を加えた「トリオ・セシボン」が結成される。
ヒョンジュとチャンシクはそりが合わず反目。ギターが弾けないグンテは引け目を感じていたが、そんな3人の前に「セシボン」のミューズが現れる。歌って踊る女性4人組の中で、一際輝いているミン・ジャヨン(ハン・ヒョジュ)だ。3人共一目で恋に落ち、「トリオ・セシボン」が動き出す。グンテも音楽活動に熱が入っていった。
「トリオ・セシボン」はあっという間に、人気グループに。一方で3人はそれぞれ、女優志望のジャヨンにアタックするが、彼女が選んだのは素朴で純情なグンテだった。
●アジコのおすすめポイント:
70年代に韓国フォークを牽引した音楽ホール「セシボン」と、そこから誕生した実在の人気デュオ「ツインフォリオ」を主人公に、架空の第3のメンバーを加えて描いた作品です。70年代フォークといっても、日本とは国情の違う韓国。オリジナルよりアメリカンポップスのカバー曲が主流だったようで、ミニスカートや夜間外出の禁止など、当時の時代背景もわかり興味深いです。デビュー直前までの生き生きとした幸せな青春時代から、大麻疑惑によるホールの閉鎖、そして20年後のアメリカでの再会と、せつないラブストーリーがヒットナンバー「ウェディング・ケーキ」と共に丁寧に綴られていきます。青春時代を演じるチョンウは『レッドファミリー』とまったく異なる演技が見どころ。その彼が夢中になるハン・ヒョジュの愛らしい魅力も全開で、ファンは必見です。また後半、中年になった主人公をなんとキム・ユンソクが演じており、泣けるシーンも登場。こんなキム・ユンソクを観てみたかった!という貴重な作品でもあります。
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