監督：ジャ・ジャンクー
脚本：ジャ・ジャンクー
撮影：ユー・リクウァイ
編集：マチュー・ラクロー
美術：リュウ・チャン
メイク：橋本申二
音響：チャン・ヤン
音楽：半野喜弘
出演：チャオ・タオ、チャン・イー、リャン・ジンドン、ドン・ズージェン、シルヴィア・チャン
2015年/中・日・仏
日本公開日／2016年4月23日
カラー/DCP/125分
字幕：小坂史子
配給：ツイン
(c)Bandai Visual, Bitters End, Office Kitano
2015年 サン・セバスチャン国際映画祭 観客賞
2015年 台湾金馬奨 観客賞／
オリジナル脚本賞（ジャ・ジャンクー）
2015年 北京大学生映画祭 監督賞（ジャ・ジャンクー）
2015年 オンライン映画批評家協会賞
2015年 カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作品
2016年 アジア映画大賞 脚本賞（ジャ・ジャンクー）
2016年 国際シネフィル協会賞 最優秀未公開作品賞
2016年 マイアミ映画祭 審査員演技賞（チャオ・タオ）／
コンペティション部門演技賞（チャオ・タオ）／
2016年 上海映画批評家賞 Film of Merit
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山河ノスタルジア
（山河故人/Mountains May Depart）
story
1999年。山西省、汾陽（フェンヤン）。旧正月の街では新たな時代の幕開けに花火があがり、若者たちは踊りに興じている。小学校教師のタオ（チャオ・タオ）も炭鉱労働者のリャンズー（リャン・ジンドン）と来ていた。そこへ実業家のジンシェン（チャン・イー）が新車を自慢しにやって来る。3人は幼馴染みだ。リャンズーとジンシェンはタオに恋心を抱いているが、タオは3人の友情を大切にしていた。しかし、タオは積極的で強引なジンシェンと結婚。リャンズーはタオの家の合鍵を捨て、街を去って行く。やがて、タオは男の子を出産する。
2014年。河北省、邯鄲（ハンダン）。肺を患い余命を悟ったリャンズーは、妻子とともに汾陽へ戻る。リャンズーは治療費を借りようと、炭鉱仲間のサンミン（ハン・サンミン）を訪ねるが言い出せず、上海で成功したジンシェンがタオと離婚したことを知る。リャンズーの妻ファン（リウ・ルー）の訪問でリャンズーの容態を知り、金とかつて彼が捨てていった家の鍵を渡すタオ。その後、タオの父親が急逝し、葬儀のために息子のダオラー（ロン・ジーシャン）がオーストラリアからやって来る。
2025年。オーストラリア。19歳のダオラー（ドン・ズージェン）は中国語が話せなくなり、英語が話せない父親と疎遠になっていた。大学生活にも疑問を抱き、何にも興味が持てない。中国語教師のミア（シルヴィア・チャン）に通訳を頼み、ジンシェンと話合おうとするがうまくいかなかった。ダオラーは母親ほど歳の離れたミアに惹かれ、ベッドを共にする。しかし、故郷へ行くために訪れた旅行代理店でミアを母親と間違われショックを受ける。
●アジコのおすすめポイント：
1999年、2014年、2025年と、過去・現代・近未来を背景に、一人の女性と息子との関係を追った物語です。最初に登場するのはペット・ショップ・ボーイズが唱う「GO WEST」で踊り狂い、新時代への期待に膨らむ中国地方都市の若者たち。次が離婚して離れ離れになった母と幼い息子の再会。そして、最後は、遠いオーストラリアの地で母を思う息子の葛藤が描かれています。舞台はジャ・ジャンクー監督の故郷でもある汾陽（フェンヤン）。今は北京に住み、たまにしか帰郷しない監督が、故郷で息子の帰りを待つ母親の気持ちに寄り添って作った作品なのです。この3つのストーリーをつないでいるのが、香港で活躍しているサリー・イップ（サリー・イエー）のヒット曲「珍重」。それぞれの思いが風景や音楽に溶け込み、印象的なラストシーンへとつながっていきます。主人公を演じるのは、ジャ・ジャンクー監督のミューズ、チャオ・タオ。『最愛の子』で注目されたチャン・イーが別れた夫を演じ、成長した息子は『少年班』『少年バビロン』などでブレイク中の若手俳優ドン・ズージェンが演じています。
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