ヒマラヤ 〜地上8000メートルの絆〜
(ヒマラヤ/The Himalayas)
story
1992年、ネパール。オム・ホンギル(ファン・ジョンミン)のチームは、大学の山岳チームが遭難したと知り救助に向かう。しかし学生のパク・ムテク(チョンウ)は、勝手な行動をとり凍死寸前に陥る。「お前は二度と山に登るな!」厳しくムテクを叱責するホンギル隊長。しかし、衰弱したムテクを徹夜で看病したのはホンギルだった。
1999年。ホンギルのチームは8000メートル峰14座完登をめざし、13番目のカンチェジュンガ登頂を計画。戦力を補強するため、ふたりの新人を迎え入れる。それはなんと、かつて助けた大学生のムテクとジョンボク(キム・イングォン)だった。ホンギルは彼らを突っぱねるが、自宅にまで押しかけるふたりに根負けし、メンバーとして認める。
こうして8名となったチームは、いよいよカンチェジュンガに挑戦。悪天候に見舞われて苦戦する中、新人ふたりは必死に山に食らいつこうとする。特にムテクは不屈の根性を見せ、ホンギルは若い彼への信頼を高めていった。頂上へは隊長とムテクのふたりだけでアタック。2000年5月19日、8586メートルの登頂に成功する。
いつしかホンギルにとって、ムテクは右腕のような存在となっていた。彼らはついにアジア初の14座完登を達成するが、ヒマラヤ完全登頂を目前に、ホンギルの足に支障が出ていることが発覚。医者から登山を辞めるよう宣告され、ホンギルは現役引退を決意する。「お前の時代が来たんだ」ホンギルは愛用のピッケルをムテクに託した。
2004年、ムテクは初の隊長として、世界最高峰のエベレスト登頂に挑み、成功する。だが下山途中、彼と副隊長のジョンボク、隊員ジェホンの3人が天候悪化で遭難。生存が絶望視され、遺体が見つからないまま葬儀が開かれた。ホンギルは再びかつての仲間たちを集め、ムテクらの遺体を回収するため、危険地帯に挑んでいく…。
●アジコのおすすめポイント:
アジアを代表する伝説の登山家オム・ホンギル(1960-)が率いた「ヒューマン遠征隊」の、過酷なエベレスト遠征を元に描かれた作品です。仲間の遺体回収のため、最も危険な地点で続けられた捜索。知られざる77日間の真実を描いた本作は、昨年末の公開当時800万人を動員するメガヒットを記録しています。監督は『ダンシング・クイーン』『パイレーツ』で新たなヒットメーカーとなったイ・ソクフン。韓国初の本格的な山岳映画に挑戦し、ヒマラヤやモンブランなどでロケ。専門家と徹底した安全対策を立て、リアルな撮影に挑んでいます。また主演のファン・ジョンミン、チョンウをはじめ、遠征隊に扮した俳優たちは皆、山岳家と同じ訓練を行っています。俳優たちの間に生まれた絆がそのまま、遠征隊の絆として焼きつけられているようです。氷った雪山で繰り広げられる熱い人間ドラマをご堪能ください。
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