ミス・ワイフ
(ミス・ワイフ/Wonderful Nightmare)
story
幼い頃に、船乗りだった父を亡くし、父だけを愛していた母(キム・ヘナ)も病気で亡くしたヨヌ(クォン・スジョン)は、男に頼らず一人で生きて成功すると心に誓う。ソウル大学を卒業したヨヌ(アン・ソヨン)は念願かない、勝訴率100%の敏腕弁護士として活躍。独身のまま39歳(オム・ジョンファ)を迎え、悠々自適の生活を送っていた。
財閥の息子(イ・スンホ)の女性暴行未遂事件を示談におさめたヨヌは、パク会長(チェ・イルファ)からVVIPのブラックカードを渡され、ついにニューヨークへの転勤が決まる。母の墓前で報告をした帰り、車を運転していたヨヌは交通事故に遭い、目覚めると病院のようなロビーの待合室に座っていた。そこは天国への中継所だった。
ところが、2054年に来るはずのヨヌは手違いで死に、同姓同名の女性が病院で生き返っていた。さらに、1ヶ月先に亡くなるはずの女性が死んでしまい、イ所長(キム・サンホ)は困っていた。所長は動揺しているヨヌを見て一計を案じ、女性の身替わりとなって1ヶ月を生きれば、元の人生に戻してあげると提案する。
寝室で目覚めたヨヌは、地味で質素な姿に仰天する。さらに、タレント志望の生意気な娘ハヌル(ソ・シネ)と、幼稚園に通う息子のハル(チョン・ジフン)がいた。夫ソンファン(ソン・スンホン)はイケメンだが市役所勤め。袋折の内職をし、ママ友のミソン(ラ・ミラン)たちと喫茶店でおしゃべりに花を咲かせる典型的な主婦になっていた。
高給弁護士のプライドが捨て切れないヨヌは、自分流の行動を起こして家族や周囲を戸惑わせ、「ニセモノぽいのは困る」とイ所長に注意される。その頃、隣町の開発工事前倒しに反対する運動が起こる。パク会長に頼まれて事を進めたのは、かつてのヨヌだった…。
●アジコのおすすめポイント:
金と地位のためなら、悪徳企業とも手を組むクールな敏腕弁護士が、正反対の人生を送ることで、家族や愛、人生の意味を身を持って体験するヒューマンコメディです。細かい伏線が見事に生きており、最後はそう来たか!と予想外の展開に泣かせてくれます。監督は3人のおばあさんの銀行強盗を描いた『ミス・ギャングスター』のカン・ヒョジン。人間描写がうまく、ソン・スンホンも妻と子どもを一番大切にして生きる普通の公務員を自然体で演じています。バリバリのキャリアウーマンがよく似合うオム・ジョンファが、すっぴんに近いメイクで登場するのも新鮮。登場人物も多彩で、ドラマ「ありがとうございます」(07)のボム役がかわいらしかったソ・シネちゃんが、すっかり大きくなって登場。懐かしいところでは、「オールイン 運命の愛」(03)の頃は鋭いルックスだったチョン・ユソクが、落ち着いた先輩検事役でゲスト出演しています。さて、逆転人生でやっと見つけた理想の家族、1ヶ月後はどうなるでしょう?
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