私の少女時代(我的少女時代/Our Times)
story
現代の台北。残業を断れず仕事に追われ、たまのデートもままならないリン・チェンシン(ジョー・チェン)は、心身ともに疲れ切っていた。かつて夢見た理想とはかけ離れた自分。「君は今の自分が好き?」DJの言葉に、思わず広げた高校の卒業アルバムには、大好きなアンディ・ラウのスナップ写真。ラジオからアンディの「忘情水」が流れ、チェンシンの心は、ひたむきだった18歳のあの頃へと戻っていく…。
90年代。高校生のチェンシン(ビビアン・ソン)は、ボサボサ髪に分厚いメガネをかけた「男子が興味を持たない平凡な女の子」だった。隣りには同級生で美少女のタオ・ミンミン(デヴィ・チェン)が住んでいた。チェンシンはイケメンの優等生で全女生徒のアイドル、オウヤン・フェイファン(ディノ・リー)に憧れているが、声をかけられてもひきつった笑顔を浮かべるのが精一杯だった。
そんなある日、チェンシンの机に「幸福の手紙」が届く。悩んだチェンシンは、同じ手紙を怒りっぽい担任教師、モテモテのミンミン、そして、オウヤンに因縁をつけていた学校一の不良、シュー・タイユー(ダレン・ワン)に送ることにする。その手紙を読んでいる時、トラックに衝突されるという不幸にみまわれたタイユーは、封筒に貼られたアンディ・ラウのシールからチェンシンが送り主と気づく。
タイユーから強引に「友達になろうぜ」と迫られたチェンシン。それはタイユーの使い走りになることで、奴隷のようにこき使われるはめに。しかし、プールサイドでオウヤンとミンミンの密会現場を目撃して以来、チェンシンとタイユーは二人の仲を裂こうと同盟を結成する。タイユーもミンミンが好きだったのだ。
二人は互いの目的のために切磋琢磨し、もともと秀才だったタイユーは猛勉強を開始。チェンシンも兄のガールフレンドに仕込まれて、人気ファッション誌から飛び出したようなルックスに大変身。タイユーやオウヤンを驚かせる。こうしてチェンシンとタイユーの心も近づいていくのだが…。
アジコのおすすめポイント:
2015年の台湾、そして中華圏を席巻した大ヒット作の登場です。物語は台湾映画が得意とする胸キュンものの王道青春ラブストーリー。それが、本作では現在とつながるミラクル展開になっているのが、大きなポイント。ツボを押さえまくったあの頃を生き生きと描いたのは、本作で監督デビューを果たしたフランキー・チェン。「秋のコンチェルト」(09) や「蘭陵王」(13) など、大ヒットドラマを次々と生み出した敏腕プロデューサーならではのセンスを発揮し、監督にとっても青春時代だった当時を見事に再現しています。アンディ・ラウやグラスホッパーのヒット曲などが懐かしい華流ファンもいるのでは? 主演は本作で新人女優賞も受賞したビビアン・ソンと、ワイルドかつナイーヴな魅力が開花したダレン・ワン。王子様役をミュージシャンのディノ・リーが演じています。豪華ゲストによるうれしいサプライズの後は、大ヒットしたエンディング曲「小幸福」(歌っているのはS.H.E.のHebe) で幸せな余韻に浸ってください。
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