[牛古]嶺街少年殺人事件
([牛古]嶺街少年殺人事件/A Brighter Summer Day)
story
1960年、台北。シャオスー(チャン・チェン)は建国高校昼間部の受験に失敗。夜間部に通うことになる。クラスメートのワンマオ(ワン・チーザン)やフェイジー(クー・ユールン)は、小公園と呼ばれる不良グループに属していた。シャオスーの両親は一日も早く昼間部への編入ができるよう、実力者ワン(シュー・ミン)に口添えを頼んでいた。
シャオスーの両親は上海から渡ってきた外省人だ。よりよい生活ができると信じて台湾へ渡ってきたが、変わりゆく社会の中で暮らしは一向によくならず、大陸へ戻ることもできない。彼らの間には不安と閉塞感が蔓延していた。シャオスーはワンマオと学校の隣にできた撮影スタジオに潜り込んでは授業をさぼっていた。
ある日、撮影スタッフに見つかったシャオスーは、逃げる時に懐中電灯を持ち去ってしまう。放課後、小学校の校舎で仲間のホアトウ(チャン・ホンユー)が敵対するグループ「217」に絡まれ、ワンマオたちは加勢に向かう。シャオスーは明かりの点いていない教室に隠れていた女学生の姿を見かけるが、誰かはわからなかった。
シャオスーは保健室で怪我をしたシャオミン(リサ・ヤン)と知り合う。シャオミンは小公園のリーダー、ハニー(リン・ホンミン)の彼女だ。ハニーは217のリーダーとシャオミンを奪い合い、殺人を犯して台南に逃げていた。
217の現リーダー、シャンドン(ヤン・シュンチン)は小公園に近づくため、ホアトウの父が管理する中山堂でコンサートを開くことにする。そこへハニーが現れた。シャンドンは217のメンバーをなだめるが、ハニーと二人きりになったとき、ハニーを軍の車列に突き飛ばして殺してしまう。
アジコのおすすめポイント:
台湾ニューシネマを牽引したエドワード・ヤン監督の1991年の大傑作が、マーティン・スコセッシが設立したフィルム・ファウンデーションのワールド・シネマ・プロジェクトにより、監督の生誕70年、没後10年の2017年に4Kレストア・デジタルリマスター版として蘇りました。しかもオリジナルの3時間56分バージョンで。物語は1961年に台北で実際に起きた14歳の少年によるGF殺人事件がベース。少年たちの青春群像と危うさを描くと共に、その家族を巻き込む当時の社会情勢や時代が刻印されており、台湾の成り立ちを知る重要な作品となっています。また、今やウォン・カーウァイ監督など巨匠たちの作品に続々と出演しているチャン・チェンのデビュー作でもあります。実の父、兄と親子役で共演している他、人気俳優のクー・ユールン、本作がきっかけで映画監督の道へ進んだチアン・ショウチョン(次女役)など、キャストも見所たっぷり。ぜひ、スクリーンでご覧ください。尚、1985年の重要作品『台北ストーリー』4Kレストア・デジタルリマスター版も5/6より公開予定です。
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