マンハント(追捕/MANHUNT)
story
中国人弁護士のドゥ・チウ(チャン・ハンユー)は、久しぶりに来日。大阪の夜の街を懐かしそうに歩く。立ち寄った小料理屋には美しいおかみがいた。中国語も話す彼女は外国人のようだ。昔、観た懐かしい映画のセリフで盛り上がる二人。その時、ヤクザ風の客たちが乱暴に押しかけてくる。心配しつつも席を立つドゥ。彼が去った後、おかみと店員は殺し屋のレイン(ハ・ジウォン)とドーン(アンジェルス・ウー)に戻り、男たちを片づけた。
ドゥ・チウは酒井社長(國村隼)が率いる天神製薬の祝賀パーティに招待されていた。酒井は息子の宏(池内博之)に後を継がせようと思っており、ドゥに顧問弁護士になってくれるよう頼む。会社の顧問弁護士だったため、裏事情を知っているからだ。だが、ドウは辞退。酒井は秘書の希子(TAO)を彼の寝室に送り込み、懐柔しようと企む。一方、ドゥは美しい旗袍姿の真由美(チー・ウェイ)と出会い、二人でパーティを抜け出す。
真由美と2日後に会う約束をし、帰宅したドゥ・チウ。翌朝、目覚めると隣で希子が死んでいた。ドゥは警察に通報するが、掃除にきた家政婦の証言により現行犯で逮捕されてしまう。担当刑事の浅野(トクナガクニハル)は酒井とつながっていた。連行前に消してしまおうと企む浅野の隙を見て、ドゥは逃走する。一方、大阪府警の矢村(福山雅治)も逮捕に駆り出され、新米婦警の百田(桜庭ななみ)を助手に動きだす。
ホームレスの坂口(倉田保昭)に匿われたドゥは酒井に連絡し、弁護士との面会を要請。約束後、酒井はドゥを始末するため、自分が育てた殺し屋のレインとドーンにドゥ殺しを依頼した。ドゥに心惹かれていたレインは、複雑な気分だった。面会場所には警察も集まり、壮絶な銃撃戦となる。不信感を抱いた矢村は、犯行現場でのプロファイリングからドゥの無実を確信する。
ドゥは真由美と落ち合い、彼女の牧場へと連れて行かれる。そこには、真由美と3年前に自殺した婚約者、北川(田中圭)との悲しい過去が封印されていた。北川は天神製薬で新薬の開発に携わっており、その事件を担当したのがドゥだったのだ。3年前の彼の死の真相とは…。
アジコのおすすめポイント:
高倉健主演の『君よ憤怒の河を渉れ』(1976年・佐藤純彌監督)は、文化大革命後の中国で初めて公開された外国映画。79年に『追補』というタイトルで公開され、8億人の観客を動員。100億人民元を超える大ヒットとなりました。その『追補』をリメイクしたのが本作。ジョン・ウー監督がガン・アクションに回帰し、念願のオール日本ロケを敢行してできた作品です。主演は『戦場のレクイエム』で注目され、『グレートウォール』にも出演したチャン・ハンユーと福山雅治。ストーリーの骨子はそのままに、いくつかの設定を改編。韓国から人気女優のハ・ジウォンを迎えて、女殺し屋を登場させるなど、監督ならではの味付けとアクションシーンがふんだんに盛り込まれています。日本警察では二丁拳銃を使用しないため、手錠でつながれた二人が銃を放つなど、細かい気配りも。小さな違和感は気にせず、ジョン・ウー監督ならではのアクションシーンを楽しみましょう。ついでに、クマも登場する76年の『君よ憤怒(ふんど)の河を渉れ』を観ておくと、冒頭のスキャットやストーリー展開がよりわかりやすくなります。こちらもなかなかに大胆な展開・演出の作品で驚きますよ。
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