story
1609年、アーラヴァリ山脈の断崖絶壁にあるバイラヴァコーナ。シヴァ神を祀るその場所で、戦士バイラヴァ(ラーム・チャラン)の告白を聞きながら息絶えたミトラ姫(カージャル・アグルワール)は断崖から滑り落ち、バイラヴァも後を追った。感動したシェール・カーン(スリハリ)は、バイラヴァの鎧を火にくべてシヴァ神に祈り、「太陽は再生する!」と転生を叫ぶ。
400年後のハイダラバード。バイクレーサーのハルシャ(ラーム・チャラン)は親友のスニール(スニール)とオートリクシャーで空港へ急ぐ途中、バス停で手を振っている女性の手に触れ指先に衝撃が走る。引き返して、手の主を探すハルシャ。だが、その女性インドゥ(カージャル・アグルワール)は知り合いのふりをしてわざと偽名を名乗る。何度もハルシャをからかって楽しむインドゥだったが、次第に頼もしいハルシャに惹かれていった。
その頃、インドゥの父(スーリャ)からウダイガルの広大な土地と屋敷を奪った姉の夫が、邪悪な息子ラグヴィール(デヴ・ギル)の提案で、訴訟を避けるため一家を殺害しようとハイダラバードへやって来る。ところが、ラグヴィールはインドゥに一目惚れ。自分の父親を殺して許しを請い、叔父の家に転がり込む。しかし、ラグヴィールは幻の戦士に阻まれインドゥに触れることができなかった。
ウダイガルの占い師ゴーラ(ラオ・ラメシュ)はラグヴィールに前世の物語を語って聞かせる。インドゥは400年前に栄えたウダイガル国のミトラ姫の生まれ変わりで、ラグヴィールは姫の従兄ラナデーヴの生まれ変わりのようだ。そしてもう一人、伝説の勇者バイラヴァも生まれ変わっていた。彼がいるかぎりインドゥに近づけないと知り、ラグヴィールはその男を探して殺害しようと企てる。
ハルシャとインドゥは愛を深めあっていた。ハルシャはインドゥの家を訪れ、インドゥの父から結婚の許しをもらうが、ラグヴィールが背後から叔父の首を絞めて、ハルシャを犯人に仕立てる。驚いたインドゥは傷つき、ラグヴィールが用意したヘリコプターで父を病院へ運ぶ。ハルシャは誤解を解くため、無謀にもヘリコプターにダイブ。しかし、インドゥの手に触れた時、またしても衝撃が走り、走馬灯のような記憶と共に地上へ落ちていった…。
アジコのおすすめポイント:
S.S.ラージャマウリ監督による2009年の記念碑的作品です。本国では1000日を超えるロングランヒットを記録した本作。400年を跨ぐ悲劇の恋人たちの輪廻転生物語には、現代劇と時代劇の2つの魅力が詰まっています。主演はインドの新世代スター、ラーム・チャランとカージャル・アグルワール(『バードシャー テルグの皇帝』)。ふたりとも、撮影当時は22歳くらいで超フレッシュ。本作がデビュー2作目となるラーム・チャランは、ラジニカーントと並ぶインド映画界のメガスター、チランジーヴィの息子でもあり、冒頭では親子競演も果たしています。イケメンぶりもさることながら、キレキレのダンスや乗馬シーンなど惚れ惚れとするシーンが満載。ドラマを盛り上げる悪役のデヴ・ギルもなかなかの怪演で、この役柄を熟成させるとバラーラデーヴァへつながっていきそうです。アクションシーンも素晴らしく、監督お気に入りの断崖絶壁での「100人斬り」は圧巻! エンドロールではスタッフ&出演者全員での楽しいダンス大会があり、ラーム・チャランと楽しげに踊るまだ若い監督の姿も拝めます。映画が終わったら、きっと、あなたもTシャツの裾をつまんで踊りたくなることでしょう。
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