オペレーション:レッド・シー
(紅海行動/Operation Red Sea)
story
2015年、ソマリア沖。中国の船、広東号が海賊に襲われ、中国海軍護衛編隊が出動。海軍陸戦隊の隊長ヤン・ルイ(チャン・イー)率いる蛟竜一隊と二隊が乗組員を無事に救出し、海へ逃げ出した海賊の捕獲にも成功する。しかし、狙撃の名手ルオ・ジンが重傷を負い、復帰できなくなる。責任を感じるヤンに艦長ガオ・ユン(チャン・ハンユー)は「お前は隊長であり、父親ではない」と諭すのだった。
その頃、モロッコのカサブランカでは、中国系フランス人記者のシア・ナン(ハイ・チン)が、イウェア共和国のエネルギー会社の幹部ウィリアム・パーソンズを追っていた。彼は密かにイエローケーキと呼ばれる核材料を大量に隠し持っており、軍に横流ししていた。汚い爆弾の製造技術も入手したという。上司のアルベルト(サイモン・ヤム)は君の手に負える相手ではないと制止するが、彼女は引かなかった。
海賊船事件から5日後、イウェアでクーデターが発生したため、現地の中国人を避難させるよう外務省から連絡が入る。イウェアでは政府軍とテロリスト集団ザカによる内戦が起こっていた。艦長は中国人130人と中国企業で働く外国人労働者30名の救出を命じ、現地の港を目指す。部隊には新しい狙撃手グー・シュン(ホアン・ジンギュ)が合流した。
イウェアのグリーンビレ・エナジー社の前では、シア・ナンがウィリアム・パーソンズを待ち伏せていた。港には避難民が押し寄せており、艦隊の入港で皆船に乗り込む。領事館の人々も港へ向かおうとするが、ザカによって戦闘地区に閉じ込められてしまう。同じ頃、グリーンビレ・エナジー社もザカに制圧された。戦艦に支援要請が入り、ヤン率いる蛟竜突撃隊が上陸。果てしない死闘に飛び込んでいく。
アジコのおすすめポイント:
今年の春節映画で大ヒットを記録し、米アカデミー賞の香港代表にも選ばれたダンテ・ラム監督の最新作です。『オペレーション・メコン』に続く実録ものなので、資料を探す中で、興味深い題材がたくさん見つかったのかもしれません。サイモン・ヤムがカメオ出演しているものの、中国海軍が全面バックアップした中国人俳優による中国海軍が主役のミリタリー・アクション。ダンテ・ラムならではの容赦ない過酷な戦いが果てしなく続きますが、隊員たちの友情ドラマもきっちり盛り込んでいます。紅一点の女性射撃手を丸刈りで威勢よく演じたジアン・ルーシアの活躍が目立ち、助演女優賞も納得。中国の大作映画でがっぽり稼ぎながら、『激戦 ハート・オブ・ファイト』や『疾風スプリンター』のような青春映画もまた作ってくれることでしょう。
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