ナミヤ雑貨店の奇蹟 -再生-(解憂雑貨店/Namiya)
story
2017年、大晦日。ある女性起業家の自宅を襲撃した3人組の孤児、シャオポー(ワン・ジュンカイ)、トントン(ディルラバ・ディルムラット)、アジェ(ドン・スージェン)は、無人の雑貨店に逃げ込んだ。古びた時計の針が新年を告げると、シャッターの郵便受けから突如、手紙が落ちてくる。それは1993年から届いた手紙だった。
ネットで調べたところ、この雑貨店はかつて、店主(ジャッキー・チェン)が手紙による悩み相談をすることで有名だった。返事は裏口のドアの横にある、牛乳瓶受けに入れることになっていた。シャオポーは返事を書いて牛乳瓶受けに入れてみる。すると、またシャッターの郵便受けから手紙が届いた。牛乳瓶受けに入れた返事はなくなっていた。
手紙を書いたのは、北京でミュージシャンへの夢を追っているチン・ラン(リー・ホンチー)だった。大学を中退してシンガーソングライターを目指すも、時代は崔健(ツイ・ジェン)を始めとする北京ロック全盛期。悩んでいる時に父危篤の知らせが届き、帰郷したのだ。父のこともあり、チン・ランは夢を諦めて家業を継ぐべきか悩んでいた。
チン・ランは手紙のやりとりで夢を諦めることにして、最後の手紙と共にシャッターの前で未発表の自作曲を演奏する。そのメロディは、後に同じ施設で育ち、人気歌手となったチャン・ウェイウェイ(ムン・フイユアン)のヒット曲だった。シャオポーは慌てて返事を出す。「あなたの曲は将来、多くの人に愛される。諦めないで」
数年後、シンガーソングライターとなったチン・ランは、児童擁護施設「虹の家」のクリスマスに呼ばれて歌を披露する。歌ったのはあの時の曲。幼いウェイウェイは一度聴いただけで、その曲を覚えていた。しかしその夜、「虹の家」で火災が発生し…。
アジコのおすすめポイント:
日本でも『SUNNY』や『あの頃、君を追いかけた』とリメイク作品が続いていますが、今度は中国から東野圭吾の泣ける大ヒット作『ナミヤ雑貨店の奇蹟』が登場!日本では昨年、山田涼介主演の映画版が話題となりましたが、中国版はそのリメイクというよりも、原作を元にした中国ならではの映画化となっています。背景も中国の1993年当時が描かれ、北京ロックや香港芸能界が熱かった時代。もうすぐ来日するジャッキー・チュンが大ブレイクした頃でもあり、中華芸能迷の方には懐かしいでしょう。出演者も豪華。主人公を演じるのは人気アイドルグループTFBOYSのワン・ジュンカイ。エキゾチックな美女のディルラバ・ディルムラットは男装で登場。ジャ・ジャンクー作品でも知られるドン・ズージェンが屈折した兄貴分を演じています。さらに、悩みの相談者たちは『酔生夢死』で注目された台湾のリー・ホンチー、アレックス・スーの『ひだりみみ』でデビューしたチェン・ドゥリンと期待の若手たち。さらに、チン・ハオ、ハオ・レイとロウ・イエ監督の常連実力派が登場します。そして!一番の驚きは、雑貨店の店主を演じるジャッキー・チェン。アクションでないジャッキーをご堪能ください。エンディングで流れるジョイ・ヨンの歌声も中華迷には嬉しいです。
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