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暗数殺人

監督:キム・テギュン
脚本:キム・テギュン、クァク・キョンテク
撮影:ホアン・キスク
編集:キム・スンミン
音楽:モク・ヨンジン
出演:キム・ユンソク、チュ・ジフン、チン・ソンギュ、ムン・ジョンヒ、チュ・ジンモ

2018年/韓国
日本公開日:2020年3月27日
カラー/ビスタ/5.1ch/110分
字幕:李 英愛
配給:クロックワークス
(c)2018 Showbox, Film295 and Blossom Pictures
2018年 青龍映画賞
 脚本賞(キム・テギュン、クァク・キョンテク)
 人気スター賞(チュ・ジフン)
2018年 韓国映画評論家協会賞
 脚本賞(キム・テギュン、クァク・キョンテク)
 今年のベストフィルム11
2018年 ロンドン東アジア映画祭
 主演男優賞(キム・ユンソク)
2019年 百想芸術大賞
 脚本賞(キム・テギュン、クァク・キョンテク)
2019年 春史大賞映画祭
 主演男優賞(チュ・ジフン)/新人監督賞(キム・テギュン)
2019年 黄金撮影賞 主演男優賞(チュ・ジフン)

poster

暗数殺人(暗数殺人/Dark Figure of Crime)

story

 釜山。麻薬捜査班のキム・ヒョンミン刑事(キム・ユンソク)は、タレコミ情報の確認で市場にあるカルグクスの店を訪れる。そこにカン・テオ(チュ・ジフン)という男が現れ、6、7年前に死体の一部が入った荷物を運んだことがあると話し出す。ところが、そこへ警察が乱入。カン・テオは恋人殺しの容疑者として逮捕された。

 3ヶ月後、拘置所のテオからヒョンミンに電話が入る。今までに7人も殺したと言うので面会に行くと、テオは警察が集めた証拠は捏造だと地図を渡した。ヒョンミンはその場所から、被害者の下着と犯行に使われたテープを発見するが、そのせいで再審となり求刑20年が15年に減刑されてしまう。

 ヒョンミンはその他の6つの事件について、テオに自供書を書かせる。交換条件はサングラスとブランドものの下着、金だった。これは警察が認知していない暗数殺人だと直感したヒョンミンは、刑事課に異動。ヨンジュ警察署へ移り、テオの過去や事件を調べ始めるが手がかりがつかめない。

 頼まれた品物を持って面会に行くと、テオはセンゴク地区の墓地に埋めたと地図を書いて渡した。ヒョンミンはその地区での事件当時の失踪者リストから被害者を特定。墓地を大々的に捜索し、チョ刑事(チン・ソンギュ)の協力で人骨を発見する。死体遺棄事件として扱われるが、テオは裁判で自供を覆し、さらに時効のため起訴もできなかった。

 嘘と真実を使い分け、挑発的な態度で警察の無能ぶりを嘲笑うテオ。ヒョンミンは金銭の授受から交番へ左遷されるが、チョ刑事と共に丹念に事件を洗い直していく…。

アジコのおすすめポイント:

これまで取り上げられたことのなかった暗数殺人(警察で事件として認知されていない殺人)をテーマに、実在の刑事と犯人のやりとりをスリリングに描き、刑事の苦悩と犯人の人間像にまで迫ったクライム・サスペンスです。若手実力派のキム・テギュン監督が『友へ チング』のクァク・キョンテク監督と脚本を練り、完成させました。主演はキム・ユンソクとチュ・ジフン。被害者に寄り添って丹念な捜査を続ける刑事をキム・ユンソクが抑えた演技で見せ、チュ・ジフンはキレ者で得体の知れない犯人を起伏の大きい演技で体現しています。猟奇的な連続殺人事件といえば、昨年犯人が判明した(すでに捕まっていた)『殺人の追憶』が思い出されますが、鑑定不可能な人格を持つ本作の犯人像も恐ろしく、チュ・ジフンの演技が光ります。モデルとなった刑事さんは、被害者たちのために今も捜索を続けているそうです。陰惨な事件のなかで、ちょっとだけ登場するダイバー役のコ・チャンソク(ゲスト出演)がいい味を出しています。


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