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はちどり

監督:キム・ボラ
脚本:キム・ボラ
撮影:カン・グクヒュン
編集:ズー・スアチョー
美術:キム・グンア
音楽:マチア・ストルニサ
演奏:WAVELAB
出演:パク・ジフ、キム・セビョク、イ・スンヨン、チョン・インギ、パク・スヨン、ソン・サンギョン、パク・ソユン、チョン・ユンソ、ソル・ヘイン、キル・ヘヨン、キム・ジョング

2018年/韓・米
日本公開日:2020年6月20日
カラー/ビスタ/DCP/112分/PG12
字幕:根本理恵
配給:アニモプロデュース
(c)2018 Epiphany Films.
2018年 釜山国際映画祭
 ニューカレンツ部門 NETPAC 賞・KNN 観客賞
2018年 ソウルインディペンデント映画祭
 ニューチョイス部門 最優秀作品賞・SIFF 委員賞
2019年 釜山映画批評家協会賞 最優秀映画賞
2019年 ディレクターズ・カット・アワード
 新人監督賞(キム・ボラ)/最優秀ビジョン賞
 新人女優賞(パク・ジフ)
2019年 韓国 Women in Film 映画祭 監督賞(キム・ボラ)
2019年 韓国映画制作家協会賞 作品賞
2019年 大韓民国大衆文化芸術賞 作品賞
2019年 青龍映画賞 脚本賞(キム・ボラ)
2019年 エール・キノ国際若手観客映画祭
 コンペティション部門 作品賞
2019年 韓国映画評論家協会賞
 独立映画支援賞/国際批評家連盟賞韓国本部賞
 助演女優賞(キム・セビョク)/新人女優賞(パク・ジフ)
2019年 ベルリン国際映画祭
 ジェネレーション14plus 国際審査員グランプリ
2019年 トライベッカ映画祭
 国際ナラティブ・コンペティション部門 作品賞
 女優賞(パク・ジフ)/撮影賞(カン・グクヒュン)
2019年 イスタンブール国際映画祭
 国際コンペティション部門 ゴールデンチューリップ賞
2019年 シアトル国際映画祭
 コンペティション部門 審査員賞
2019年 LA アジアンパシフィック国際映画祭
 最優秀ナラティブ長編審査員賞
2019年 キエフ国際映画祭 国際コンペティション部門
 作品賞/FIPRESCI 長編審査員賞
2019年 台北国際映画祭
 新人コンペティション部門 審査員賞
2019年 バレンシア国際映画祭 観客賞/若手審査員賞
 監督賞(キム・ボラ)/音楽賞()
2019年 エルサレム国際映画祭
デビュー部門 GWFF初長編作品賞
2019年 アテネ国際映画祭 脚本賞(キム・ボラ)
2019年 オースティン・アジアン・アメリカン映画祭
 最優秀ナラティブ作品賞/審査員賞
2019年  北京国際映画祭 新人長編作品スペシャルメンション賞
2019年 マレーシア国際映画祭&MGGA
 監督賞(キム・ボラ)/撮影賞(カン・グクヒュン)
 助演女優賞 (キム・セビョク)
2019年 キプロス国際映画祭 審査員賞
2019年 ハートランド映画祭 劇長編部門 作品賞
2019年 ジョグジャ・ネットパック・アジア映画祭
 アジア長編部門 作品賞
2019年 BFI ロンドン映画祭
 初長編コンペティション部門 審査員特別賞
2019年 ベルゲン国際映画祭 Cinema Extraordinaire 作品賞

はちどり(House of Hammingbird)

story

 1994年、高度成長期のソウル。中学2年生のキム・ウニ(パク・ジフ)は高層団地に住んでいる。餅屋を営む父(チョン・インギ)と母(イ・スンヨン)は店で忙しく、高校生の姉スヒ(パク・スヨン)は塾をさぼってボーイフレンドと遊び歩いている。兄のデフン(ソン・サンギョン)は教育熱心な父の期待を背負ってソウル大を目指しているが、プレッシャーからウニに暴力をふるうこともあった。

 ウニは学校になじめず、勉強よりも漫画を描くのが好きだ。家業が忙しいと一家総出で餅を作ることがあり、居眠りもする。だが、放課後には他校の男子生徒キム・ジワン(チョン・ユンソ)が迎えにきてくれる。二人は幼い恋を楽しんでいた。通っている漢文塾には、親友のジスク(パク・スニョン)もいた。クラブで出会った後輩のペ・ユリ(ソル・ヘイン)はウニに憧れていた。

 父は高圧的な人だが、仕事が終わるとスーツに着替えて出かけていく。母は夫が浮気していることに気づいていた。そのことで喧嘩になり、おとなしい母が父にランタンを投げつけたことがある。父は怪我をした。だが、翌日になると何事もなかったかのように、父と母はテレビを見て笑っていた。

 ある日、漢文塾の階段で、ウニはタバコを燻らせながら窓の外を見つめている女性を見かける。新しい塾の講師ヨンジ(キム・セビョク)だ。ソウル大学を休学中のヨンジは不思議な雰囲気を漂わせていた。彼女は授業で「相識満天下、知心能幾人」という禅語を紹介。「たくさんの顔見知りの中で、心がわかるのはどれくらい?」と問いかける。

 ウニは次第にヨンジに心を開いていく。ジワンとうまくいかなくなった時、万引きがもとでジスクと喧嘩した時、ヨンジはウーロン茶を煎れてウニの話を聞いてくれた。

アジコのおすすめポイント:

高度成長期のソウルを舞台に、中学2年生という大人でも子どもでもない中途半端な世代の少女の心の軌跡を、日常生活とその年に起こった出来事を絡めて描いた瑞々しいヒューマンドラマです。自分たちが果たせなかった夢を託すべく、教育に力を入れる父親。父の言いなりでありながら、突然反旗を翻した母親の意地。受験に失敗して他の学区の高校に通う姉。父の期待に応えようと無理をする兄。一見、バラバラの家族ですが、家業の餅を家族全員で作る時は楽しそう。主人公が傷痕が残るかもしれない手術をすることになると、父は娘を不憫に思って泣いてしまいます。根強い家父長制度、学歴社会、男女差別の中で、大人に憧れながらも、大人って不思議?と思う少女の心の揺れが見事に描かれます。監督はこれが長編デビュー作のキム・ボラ。自身の体験をもとに、見事な脚本を仕上げました。主人公を演じるのはパク・ジフ。個性的な先生役をキム・セビョクが演じます。ドラマでは慈愛に満ちた父親役が多いチョン・インギの厳格な父も印象的。また『わたしたち』の頃から成長したソル・ヘインちゃんも登場します。クライマックスは実際に起こったソンス大橋の崩落で、兄姉妹3人の心が1つになるシーンは感動的。世界の映画祭で45冠以上を獲得しているのも納得。何度でも味わいたくなる作品です。食いしん坊のアジコは、お母さんが作るカリカリのチヂミが食べたくなりました。


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