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女神の継承

原案・プロデュース:ナ・ホンジン
監督:バンジョン・ピサンタナクーン
脚本:チャンタウィット・タナセーウィー、
   バンジョン・ピサンタナクーン、Siwawut Sewatanon
撮影:ナルポン・チョークカナーピタック
編集:タマラット・スメートスパチョック
美術:アッカデート・ゲーオコート
音楽:チャーチャイ・ポンプラパーパン
出演:サワニー・ウトーンマ、ナリルヤ・グルモンコルペチ、シラニ・ヤンキッティカン、ヤサカ・チャイソーン、ブーンソン・ナックポー、アルニー・ワッタナ

2021年/タイ・韓
日本公開日:2022年7月29日
カラー/1.78/5.1ch/131分/R18+
字幕:横井和子
配給:シンカ
©2021 Showbox And Northern Cross
2021年 富川国際ファンタスティック映画祭 作品賞
2021年 マニアティック・ファンタスティック映画祭 作品賞
2021年 モリン映画祭 作品賞
 撮影賞(ナルポン・チョークカナーピタック)
2022年 オンライン映画批評家協会賞 海外リリース賞


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女神の継承(祈祷師/The Medium)

story

 タイ東北部イサーン地方の村で暮らす祈祷師ニム(サワニー・ウトーンマ)は、縫製業で生計を立てるかたわら、村人たちの悩み相談を請け負っていた。ニムの家系は先祖代々、地元の人々が崇める女神バヤンに選ばれた祈祷師としての務めを受け継ぎ、今はニムがその役目を担っている。

 祈祷師のドキュメンタリーを記録している撮影隊が、ニムに密着取材。彼女は病人には病院での治療を勧めるが、悪霊が原因で苦しむ人がいれば、人助けの労を惜しまなかった。

 そんなある日、ヤサンティア家に嫁いだニムの姉ノイ(シラニ・ヤンキッティカン)の夫が他界し、葬儀が執り行われた。ニムも車でかけつけるが、途中で犬の死体を見かけ不吉な空気を感じ取る。そして、その夜からノイの娘ミン(ナリルヤ・グルモンコルペチ)が不可解な言動を見せ始める。

 やがて、極度の体調不良に見舞われ、不気味な悪夢にうなされるミン。異常な行動がエスカレートし、勤務先の職業紹介所を解雇されてしまう。真夜中に職場へ男を連れ込み、淫らな行為を続ける映像が防犯カメラに残っていたのだ。

 ミンが浴室で手首を切り、血まみれになっているのを発見したノイは、ニムに助けを求める。実は本来、姉のノイがバヤンの祈祷師になるはずだったが、彼女が拒んだためニムが代わりに祈祷師になっていた。ミンの異変は、ミンがニムの後継者に選ばれたからではないのか?

 ノイはニムに「代替わりの儀式」をして欲しいと懇願し、撮影隊は「女神の継承」が撮影できるかもと期待するが、ニムの答えは意外なものだった。「ミンに憑いているのはバヤンではない」

 最初は、事故死した兄のマック(Poon Mitpakdee)ではないかと祈祷を続けるが、失敗。その邪悪なものの正体は、ヤサンティア家の黒歴史に根ざす、ニムの手に負えないほど強大なものだった…。

アジコのおすすめポイント:

またまた、アジコの苦手な本格的ホラー映画の登場です。原案はあの『哭声/コクソン』のナ・ホンジン監督。ファン・ジョンミンが演じた怪しげな祈祷師イルグァンの「生い立ちを伝えたい」というところからスタートし、タイとの合作プロジェクトに発展。監督を『愛しのゴースト』のバンジョン・ピサンタナクーンに託し、韓国とはまたテイストの違う熱帯の湿気をまとったフォークロア的なホラー作品となりました。リアリズムにこだわったトリッキーな手法で、最初はドキュメンタリー映画なのかな?と錯覚してしまうのですが、徐々に仕掛けだというのがわかってきます。彼らはこのおぞましい世界に巻き込まれていく目撃者、という設定でしょうか。残ったのはフィルムだけかもしれませんが、とにもかくにも心して最後までご覧ください。凶暴化ウイルスの恐怖を描いた先日の台湾映画『哭悲 The Sadness』ほどグロくはありませんが、血みどろ度はほぼ同じ。そこにダークな怪しさが加わってホラー感が倍増しております。

出演者の中では、やはり普通の若者から凶悪な何かに変貌するという難しい役柄を、まさに体当たりで演じたナリルヤ・グルモンコルペチに注目です。監督やサワニー・ウトーンマさんと共に来日。舞台挨拶やイベントも用意されているので、ホラー映画大好きな皆さんは、ぜひご注目ください。


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