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1950 鋼の第7中隊

監督:チェン・カイコー、ツイ・ハーク、ダンテ・ラム
脚本:ラン・シャオロン、ホアン・ジェンシン
撮影:ルオ・パン、ガオ・フー、
   ケニー・ツェー、ピーター・パウ、
   ホアン・ヨンフン、ディン・ユー
編集:マルコ・マック、リー・ディアンシー、ホー・ヨンイー
美術:チャン・フーピン
音楽:エリオット・リョン、ワン・チーイー
出演:ウー・ジン、イー・ヤンチェンシー、チャン・ハンユー、ドアン・イーホン、チュウ・ヤーウェン、エルビス・ハン、ホアン・シュアン、フー・ジュン

2021年/中国
日本公開日:2022年9月30日
カラー/シネスコ/5.1ch/175分/R15+
字幕:河合彩子
配給:ツイン
©2021 Bona Entertainment Company Limited
2021年 マカオ国際映画祭 作品賞
2021年 中国長春映画祭 作品賞/編集賞
 (マルコ・マック、リー・ディアンシー、ホー・ヨンイー)
2022年 大衆電影百花奨 作品賞

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1950 鋼の第7中隊
(长津湖/The Battle at Lake Changjin)

story

 国共内戦後、人民志願軍・第9兵団第7中隊長の伍千里(ウー・ジン)は、兄・百里の遺骨を持って帰郷する。やんちゃな弟の万里(イー・ヤンチェンシー)が迎えに出てくる。水上生活の船で育った千里は、軍の手当で両親に家を建てることを約束した。しかし、中国が朝鮮戦争に参戦。休暇は取り消される。万里が一緒に行きたいと言うが、千里はそれを許さなかった。

 1950年9月15日。朝鮮戦争に介入した米軍を中心とする国連軍が仁川に上陸。米空軍は敵の全地域を絨毯爆撃し、その脅威は中朝国境付近にまで迫っていた。こうした情勢を受け、北京の中南海(総本部)では議論が交わされていた。米軍が38度線を越え、中国の領土に踏み込むことを懸念した毛沢東(タン・グオチャン)は、中国軍の朝鮮出兵を決断。息子の毛岸英(ホアン・シュアン)も志願兵として参加したいと訴え、毛沢東は哀しみに満ちた表情で彼を送り出す。

 千里が戻った第7中隊は、前線に無線機を届けるよう命令を受ける。万里がこっそり兄の後をつけ、隊に潜り込んでいた。千里は愕然とするが、万里の揺るがない意志を知って彼に銃を渡し、砲兵隊に彼を託した。だが、列車での移動中に爆撃され、徒歩での移動を余儀なくされる。しかも、巡回中の米軍機と遭遇。万里と親しかった仲間がこの空爆で命を落とし、万里は戦争の非情さを知るのだった。

 輸送任務の途中、第7中隊は友軍と米軍との激戦に遭遇する。米軍は戦車を始めとする火力で人民軍を圧倒する。しかし、万里は巧妙な作戦でそれを返り討ちにし、隊はやっと前線に到着。70台あった無線機は12台しか残らなかったが、無線機を届けることに成功した。

 束の間の休息で身体を休める兵士たち。ほどなく、第7中隊は長津湖に戻るよう命令がくだる。綿入れの軍服を調達して出発するが、氷点下での行軍は過酷で厳しく、物資不足が兵士たちを苦境へと陥れた…。


アジコのおすすめポイント:

朝鮮戦争の中でも熾烈な戦いとして知られる「長津湖の戦い」を映画化した戦争スペクタクル巨編です。韓国映画でよく描かれる朝鮮戦争ですが、北朝鮮を支援した中国の人民志願軍を描いており、立場が変われば視点も変わるのがよくわかります。米軍相手の戦いでもあり、いわゆる国策映画の側面もありますが、ここは巨匠3人が組んだ作品。技術的に撮影困難と言われ、長年断念されていた作品を見事に映画化しており、豪華なキャスト陣の演技と人間ドラマ、様々な戦闘シーンの数々に注目しましょう。歴史に詳しいチェン・カイコーが全体のドラマ部分を受け持ち、アクションが得意なダンテ・ラムが全体の戦闘シーン(相当な火薬量!)、そして国連軍やクライマックスの接近戦を特撮が得意なツイ・ハークが手がけています。ロケ撮影のエキストラ7万人!VFXに450社!総製作費270億円超!とすべてが中国映画史上最高。3時間の長尺ながら、約1130億円と歴代最高の興収を達成し、続編『長津湖之水門橋』(監督はツイ・ハーク) が今年公開されています。3時間、様々な戦いが続きますが長さはあまり感じません。ドラマ部分もよくできており、キャラクターもくっきりしていて感情移入できます。久々のフー・ジュンもよかったけど、なにより『少年の君』のイー・ヤンチェンシー!彼は凄い!彼は化けます。彼だけを観ていても満足できる作品です。3人の監督にも気に入られていたそうで、これからの活躍がますます楽しみです。

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