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少年たちの時代革命

少年たちの時代革命(少年/May You Say Forever Young)


監督:レックス・レン、ラム・サム
プロデューサー:ン・チャンチャン、チャン・リクハン、
        レックス・レン
撮影:ming、田中十一、チャン・ガーソン
編集:L2、レックス・レン
音楽:Aki
出演:ユー・ジーウィン、レイ・プイイー、スン・クワントー、マヤ・ツァン、トン・カーファイ、アイビー・パン、ホー・ワイワー、スン・ツェン、マック・ウィンサム

2021年/香港
日本公開日:2022年12月10日
カラー/DCP/ステレオ/86分
字幕:最上麻衣子
配給:cinema drifters・大福
©Animal Farm Production
2021年 金馬国際映画祭 アジア最優秀映画賞

poster


story

 2019年、香港の街はデモに参加する若者があふれていた。少女YY(ユー・ジーウィン)は、親友のジーユー(レイ・プイイー)とゲームセンターで遊び、時にはデモに参加する普通の17歳だ。両親は離婚。父親は中国で働き、母親は再婚相手とイギリスに渡った。そんなある日、デモに参加したYYとジーユーは逮捕されてしまう。

 すぐに釈放されたものの、「香港は変わらない」とジーユーはYYに香港を去ることを告げる。孤独と絶望を抱えたYYは、18歳の誕生日にSNSにメッセージを残し、ひとり香港の街に消える。

 少年ナム(スン・クワントー)は、SNSでYYのメッセージを見つけ、YYを助け出そうとする。恋人のベル(マヤ・ツァン)、デモ仲間のルイス(トン・カーファイ)、バーニズム(ホー・ワイワー)、そしてソーシャルワーカーのバウ(アイビー・パン)、ドライバーのファイ兄妹(スン・ツェン、マック・ウィンサム)、セーラームーンライダー兄貴たちも加わり、捜索隊が結成される。

 助け合いながらも、時にぶつかり合い、YYを探して香港の街を駆け巡る捜索隊たち。だが、YYはなかなか見つからない。「香港も、YYも救えない…」それぞれの思いを胸に、YYを探し出そうとするが、時間だけが過ぎてゆき、とうとう離脱するものも出てきた。

 どうして、そんなにYYにこだわるのか? そこには、逮捕されたデモで彼女と出会っていたナムの思いがあった。ジーユーもYYを探し始める。

 夜が深まり、屋上からひとり香港の街を見下ろしているYYの姿があった…。


アジコのおすすめポイント:

キウィ・チョウ監督の大作『時代革命』、そして本作に続いて上映される『理大囲城』と、2019年の民主化デモを克明に記録したドキュメンタリーが公開される中、若者たちの自殺をテーマにフィクションとして撮影された青春群像ドラマです。監督は自らも民間捜索隊で活動していたレックス・レン(任侠)とラム・サム(林森)。大きく揺れ動く香港の中にありながら、自殺志願者と彼らを救う民間捜索隊に焦点をあて、低予算で監督デビュー作を完成させています。出演者はほとんどが若い新人俳優。デモの現場でスカウトした若者たちもいて、リアルな香港の現状が描かれます。残念ながら、香港では未だ上映できない本作、2021年の台湾金馬奨では大きな注目を集めノミネート多数。NETPAC賞で見事、最優秀アジア映画賞に輝いています。配給はリム・カーワイ監督のcinema drifters(宣伝会社の大福と共同配給)。11月26日から全国5都市を巡回中の「香港映画祭2022」では、「少年たちの時代革命前夜」というプログラムでレックス・レン監督とラム・サム監督の短編集が上映されますので、こちらもご注目を。

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▼公式サイト ▼予告編