ハンサン ー龍の出現ー
(ハンサン:龍の出現/Hansan:Rising Dragon)
story
明国征服を企む豊臣秀吉の命令で朝鮮に押し寄せた日本軍は、破竹の勢いで進撃。わずか20日で漢陽(ハニャン)を陥し、王の宣祖(ソンジョ)は都を脱出。奪還を目指す5万人の軍隊が光教山(カンギョサン)に集結するも、武将の脇坂安治(ピョン・ヨハン)がわずか2千人の手勢で奇襲をかけて壊滅させた。
勢いに乗る脇坂の敵はただ一人。全羅左道(チョルラチャド)水軍のイ・スンシン将軍(パク・ヘイル)だ。彼は朝鮮の危機を救うため、孤軍奮闘していた。3度目となる泗川(サチョン)での海戦では日本軍が渤海船と呼んで恐れた特殊な戦艦が登場。船首に龍の頭を持ち、龍のごとく船に突っ込んで来る。脇坂は船に残っていた龍の牙を手に取り、亀船ではないかと興味を抱く。
一方、その戦いで先陣に出たイ・スンシンは銃で撃たれ、陣営のある左水営(チャスヨン)で傷を癒しながら亀船の図面を眺めていた。軍議の席で、腹心のイ・オッキ(コンミョン)らは日本軍の本陣がある釜山浦(プサンポ)を攻撃すべきだと主張する中、慶尚右道(キョンサンウド)水軍を率いるウォン・ギュン将軍(ソン・ヒョンジュ)が合流するが、彼は守備に徹するべきと譲らず意見が分かれる。
黒田官兵衛(ユン・ジェムン)が秀吉からの書状を持って釜山浦へやって来る。脇坂はイ・スンシンを倒すため、加藤嘉明(キム・ソンギュン)の助けが欲しいと願い出る。さらに、敵の動向や亀船について知るため、言葉のわかる脇坂左兵衛(イ・ソジュン)を間者として左水営へ送り込む。しかし、釜山浦にも人足のイム・ジュニョン(オク・テギョン)や芸妓のチョン・ボルム(キム・ヒャンギ)らが間者として入り込んでいた。
イ・スンシンはナ・デヨン(パク・チファン)と亀船の改良を相談していた。また、日本軍の捕虜として捕らえられた武将の俊沙(キム・ソンギュ)が、イ・スンシンの「義のために戦う」姿勢に感銘を受け、彼に仕えることを誓う。だが、僧に化けた脇坂左兵衛たちが亀船の図面を奪い、捕虜を救い出したため俊沙は脇坂に偽情報を報告する。
脇坂は陸軍を持つ小早川の協力を取り付け、そこに加藤らの水軍も到着した。イム・ジュニョンからその情報を聞いたイ・スンシンは出陣を決め、閑山島沖に鶴翼の陣を張って日本軍を迎え撃とうとする。一方、脇坂は仲違いをした黒田たちの船を奪い、独断で出陣を決行。潮の流れが激しい見乃梁(キョンネリャン)では、海域を熟知した老将オ・ヨンダム(アン・ソンギ)が日本軍を誘引しようとしていた…。
アジコのおすすめポイント:
朝鮮水軍の英雄イ・スンシンと日本軍を率いる脇坂安治の閑山(ハンサン)での戦いを、最先端の技術を使って再現した海洋バトルアクションです。前作となる『バトル・オーシャン 海上決戦』での経験をもとに、撮影は海でなはくすべてVFXでの合成。そのため、最先端アニメーション技術を使い、複雑なシーンも事前にシミュレート。俳優の演技の助けにもなり、リハーサル時間の削減にもなったとか。「海で撮影しない初めての海戦映画作り」が実現したのでした。そのせいか、船上でのシーンではあまり揺れが感じられないのですが、その分、演技が際立っております。想像を膨らませて再現した亀船や、実写では難しい陣形同士の衝突など、興味深いシーンが満載です。
このイ・スンシン三部作を手がけているのはキム・ハンミン監督。主演に『神弓 -KAMIYUMI-』で組んだパク・ヘイルを迎え、弓を引くシーンもあり。冷静沈着な将軍なので動きは少ないのですが、対照的に動の部分を担っているのが脇坂安治役を演じたピョン・ヨハン。日本軍側も豪華キャストで、対等にしっかりと描き込んであります。日本語のセリフも吹替になっているので違和感はありません。ピョン・ヨハンの熱演ぶりも見所で、数々の助演男優賞受賞も納得です。そして、キム・ヒャンギちゃんがなんと芸妓役で登場。すっかり大人になりました。
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