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THE WILD 修羅の拳

THE WILD 修羅の拳(ザ・ワイルド:野獣たちの戦争/The Wild)

監督:キム・ボンハン
脚本:キム・ジュマン
撮影:キム・ジェソン
編集:キム・ウヒョン、キム・ヒョンソ
音楽:モク・ヨンジン
出演:パク・ソンウン、オ・デファン、オ・ダルス、チュ・ソクテ、ソ・ジヘ、ソ・ジフ、ヨンス

2023年/韓国
日本公開日:2024年2月16日
カラー/シネマスコープ/5.1ch/110分/PG12
字幕:小西朋子
配給:クロックワークス
©2023 JNC Media Group

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poster


story

 ソン・ウチョル(パク・ソンウン)が模範囚として8年ぶりに出所する。ボクシングの違法賭博試合で対戦相手を殺してしまい、すべての罪を被ったのだ。出迎えたのは、兄貴分のドシク(オ・デファン)と弟分のヒョンテ(ソ・ジフ)だ。新人のカン・ユンジェ(チョン・スギョ)も運転手として同行していた。手広く稼ぐドシクは早速、ヒョンテを新しいポストに迎えようとするが、彼は「静かに生きたい」と誘いを拒んだ。

 ヒョンテに案内されたホテルの部屋へ行くと、出所祝いとしてボム(ソ・ジヘ)が待っていた。ドシクが経営する売春クラブのマダム(ヨンス)の秘蔵っ子だ。ヒョンテは当惑するが、ボムの腕にリストカットの跡を見てしまう。ボムはヒョンテに拒まれ帰ろうとするが、マダムからチョが探していると連絡が入り、一晩ホテルにいることにする。

 その頃、ドシクは厄介事の後始末をしていた。ヤク漬けのチョ・ジュンゴン(チュ・ソクテ)が売春クラブで相手の女に重傷を負わせていたのだ。罵声を浴びせるチョに嫌悪を感じながらも、脱北者グループのリ・ガクス(オ・ダルス)と取引をする上で、彼は必要な人物。憤るカン室長をなだめるしかない。チョのお気に入りはボムだった。

 ソファで眠ったウチョルは、未だトラウマに苦しめられていた。目覚めると「今度、一緒に食事しましょう」とボムがメモを残していた。ウチョルは「一番遠くまで行って戻らない船」を探し、3日後の蟹工船に乗ることにする。その夜はボムと酒を飲み、彼女を送っていった。ウチョルがボクサーと気づいたボムは、別れ際、握手の代わりにキスをした。

 だが、出港前に対戦相手の墓参りにでかけたウチョルは、飾ってある写真を見て愕然とする。ボムは自分が殺した相手の恋人ミョンジェだったのだ。その時、ボムからの電話が鳴り、争う音が聞こえた。ボムのもとへかけつけたウチョルは、チョを尾行し路地で半殺しにするが、彼がドシクの取引相手と知る。おまけに彼は刑事だった。

 ウチョルから相談されたドシクは、ウチョルを使ってガクスたちを始末しようと計画。ウチョルは再び、後戻りできない修羅の中へ巻き込まれていく…。

アジコのおすすめポイント:

出所した男が過去を忘れて静かに生きたいと願っているのに、過去の仲間たちに巻き込まれて後に引けなくなる修羅のドラマです。チョン・ウソンが初監督&主演した『ザ・ガーディアン/守護者』(準備中)にも似た展開ですが、あちらは娘を守るためにひたすら闘って勝利する男の物語。本作はある女性を守るためについ拳が出てしまい、ずるずると後へ引けないまま抗争と修羅に飲み込まれていく男の悲劇を描きます。監督は『国際捜査!』のキム・ボンハン。前作の主役はクァク・ドウォンでしたが、本作でも非情な悪役からコミカルな父親まで幅広い演技で魅了するダンディな俳優パク・ソンウンを主演に、真面目に生きたかった男の顛末を描きます。運命の女性役を演じるのは「愛の不時着」でも知られるソ・ジヘ。本作の彼女は、ちょっと香港のアンジェラ・ユンを彷彿とさせるかわいらしさでアラフォーには見えません。『ザ・ガーディアン/守護者』では長髪の親分に扮していたパク・ソンウンも、今回は2枚目に徹しての演技。悪役と見せかけて実は犯人をあぶり出す仕掛け人だった『配信犯罪』のように、イメージチェンジを謀っているのかもしれません。

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