story
太陽が老化してヘリウムフラッシュを起こし膨張。100年後には地球をのみこみ、300年後には太陽系が消滅する…。人類存亡の危機に世界は団結。地球連合政府が発足し、さまざまな存続計画が立ち上がる。
「人間は電気信号の集まりだ」と唱えるインドの科学者たちは、人間をデジタル化して肉体から切り離すデジタルライフシステムを開発。賛同者も多かったが倫理上の危険性を孕んでおり、開発が禁止された。採択されたのは、1万基の地球エンジンを設置して地球ごと太陽系から脱出。2500年をかけて別の銀河系を目指す、中国の移山計画だった。
計画は段階的に進められ、月にも3基のエンジンを設置。月を地球から引き離し、引力の影響をなくすことに。しかし、膨大なコストなど、各国の利害衝突も多く暴動が絶えない。世界の理解を得るためには、エンジンの点火実験により移動の可能性を検証することが最重要課題となる。
2044年。リウ・ペイチアン(ウー・ジン)は宇宙飛行士の訓練基地があるアフリカのリーブルビルで、叔父で宇宙飛行士のチャン・ポン(シャー・イー)に励まされながら過酷な訓練に挑む。同期のハン・ドゥオドゥオ(ワン・ジー)に一目惚れしたペイチアンは仲間に見守られて告白するが、訓練中にデジタルライフ派のテロに巻き込まれる。
訓練生のデータをハッキングした一味は、宇宙エレベーターの先にある建設中のアーク宇宙ステーションに侵入。爆弾を仕掛けて破壊した。システム攻撃を受けたことが判明し、最新型システムの550Cで復旧させるが、計画が遅れるのは必至だった。中国代表のジョウ大使(リー・シュエジェン)が宇宙局からもらった検証実験までの猶予は7ヶ月。
アメリカ代表のマイク(アンディ・フレンド)によると、アメリカではデジタルライフプログラムの開発が再開されたという。だが、ジョウは諦めず、2500年後には別の銀河系で地球に緑が戻る未来を信じていた。
月面基地で停電が起こり、眠っていたトゥ・ホンユー(アンディ・ラウ)が緊急覚醒する。想定外の太陽風で被害を受け、復旧と点火実験が急がれていた。トゥはいつものようにノートパソコンを立ち上げ、幼い娘のYYことヤーヤー(ワン・ルオシー)と会話する。地球からはマー主任(ニン・リー)が550Cを携えてやって来た。2基の月エンジンを動かすためで、エンジニアのトゥも協力を頼まれる。
二人はかつて、デジタルライフプログラムの開発に関わっていた。トゥは550Cの処理速度の速さに驚き、マーにYYのプログラムを見せる。それは、交通事故で死んだ彼の娘ヤーヤーの姿だった。妻(トン・リーヤー)は助からなかったが、娘を助けたいトゥは瀕死の娘を研究室に運び込み、デジタルライフシステムの実験台にしたのだ。
550Aで再生したYYは2分間しか持たないが、自意識が目覚めていた。550Cに繋げれYYの人生は完全になるに違いない。トゥは懇願するが、マーは驚きながらも「死んだ者は生き返らない」と説得。任務を優先させる。ところが再び太陽風が襲来し550Cが壊れたので、550Aで起動させることになる。トゥはパスコードと引き換えに、550シリーズの開発に関わることをマーに約束させた。
月エンジンの検証実験は成功し、続く地球エンジンの検証実験も成功。ペイチンはハン・ズーアン(ン・マンタ)が見守る中、ドゥオドゥオと結婚する。システムは550Cから550Wへと移行し、デジタルライフプログラムの開発は再び閉鎖された。2055年、移山計画は「流浪地球計画」に名称を改め、地下都市移住の抽選が始まる。失意のトゥは当選するが、落選したペイチアンは病気の妻と息子チーのため、宇宙ステーション勤務に応募する。
そして2058年。トゥは、密かにYYのデータを550Wに接続しようとしていた。その頃、ジョウや秘書で外交官のハオ(チュウ・ヤンマンチー)たちのもとに「205807」という警告とも取れる数字が届く…。
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