story
1996年、ボンベイ。警察で重要な会議が開かれている。開催予定のクリケットW杯で、盗賊のタヤとヤティ兄弟が何かを企む可能性があるのだ。そこで、事前に検挙することが決まるが、司令塔のヤティには動きがなかった。
その後の捜索で、ヤティが運び屋のムルガ(ムルリ・シャルマ)と会うため、タミル・ナードゥ州とアーンドラ・プラデーシュ州の境にある密輸の拠点ラトナギリに向かったとわかり、作戦チーム隊長のシヴァム(アジャイ)たちも現地へ向かう。
ラトナギリは急峻な山と森に囲まれた海域で「赤海」と呼ばれている。外界とは交流の少ない僻地で、昔は武勇の誉高い戦士たちの王国だった。侵入者と戦った血で海が赤く染まったからだ。イギリスとの独立戦争にも加わったが、インド独立後は戦いがなくなり生活に困窮。今では4つの村に分かれ、住人たちはいつしか密輸の手伝いを生業としていた。
シヴァムは密輸業者に扮して、運び屋を紹介してもらうため現地を裏で束ねる元警視トゥラシ(アビマニュ・シン)と会う。彼は、ムルガではなく村長のバイラ(サイフ・アリー・カーン)に会うことを勧めた。運ぶのは赤海の人間だからだ。だが、バイラはよそ者を嫌い仕事を断る。そして、シヴァムたちは赤海の底に多数の死体が漂っているのを見て驚愕した。
浜辺で出会った老人シンガッパ(プラカーシュ・ラージ)に「一体、誰がやった?」と尋ねると、彼はそれまでの出来事を話し始めた。12年前まで、この地のリーダー格だったデーヴァラ(NTR Jr.)とバイラの話だ。彼らがなぜ、今は密輸業をやっていないのか。
4つの村を束ねる力を持っていたデーヴァラとバイラの友情と確執。決闘で決まる村の祭祀の伝統。デーヴァラの改心と誓い。行方不明となったデーヴァラ。そしてその息子ヴァラ(NTR Jr. 二役)と家族たち。シンガッパの話は壮大な物語へと遡る…。
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