ベテランの魅力とパワー全開
ダブルボイス演唱会
2004年6月1日
今回は5月27、28日の2日間、台北の国父紀念館で開催された伍思凱・張信哲の合同コンサートを見に行ってきたのでレポートします。
伍思凱(スカイ・ウー)と張信哲(ジェフ・チャン)はともに中華圏では実力派のベテラン歌手として根強い人気です。チケット販売制コンサートがあまり開かれない台湾なのですが、透き通るような高音の美声で「情歌(バラード)王子」との異名をとる張信哲と、つい先日金曲奨でボーカル奨を受賞し新「金曲歌王」となった伍思凱という豪華なコンビの競演に、20代〜40代を中心に子ども連れの家族など幅広い客層が会場に詰めかけていました。
この二人、物静かでいつも照れたような微笑を浮かべている張信哲に対して、パワフルでにこにこにぎやかな伍思凱と対照的な性格ながらも、古くからの親友同士ということもあってコンビネーションは抜群。話し始めれば笑いが絶えず、歌を歌えばピタリとはまった二つの美声に観客が酔いしれるという、時間を忘れて楽しめるコンサートでした。選曲は二人のかつてのヒット曲はもちろん、懐かしい歴代の名曲もあったりと、大人向けのじっくりと聴かせる構成でした。
しかし、歌っている当人たちはとても楽しそうで、子どものようにステージを走り回っていたので会場から「可愛い!」との声援があったり、普段は物静かな張信哲までが伍思凱のテンションの高さにのせられてダンスを披露してしまう一幕があったりと、見所聴き所たくさんの素敵なコンサートでした。二人の大物が一緒にコンサートを開くというのは台湾でも珍しいことですが、歌手同士が親友ということはファンたちもよく知っていて、お互いのファン同士でも交流があるため、コンサート中も「誰がどちらのファン」という区別もなく、全体で一体感をもって楽しめました。
また、このコンサートはDVDの発売が予定されているそうです。台湾ではコンサート会場が少なく、大規模なものになると体育館や体育場といった音響設備のあまりよくないところで開催されるのですが、現在ドームを建設中だそうで、これが完成すれば音響や天候を心配せずにコンサートを見ることができるようになります。
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