すり鉢で立てるお茶?
客家(はっか)の擂茶は体力勝負!
2004年10月30日
台湾新竹縣の「北埔」や苗栗縣などの「客家の里」といわれる地域では、独特な客家文化があります。
中でも最も珍しいのが、「擂茶(レイチャ)」と呼ばれる挽き茶。木造の家具などが置かれた落ち着いた雰囲気のお茶屋さんに入ると、目の前に巨大なすり鉢と長いすりこぎがドンッ!と出されます。日本の一般家庭で使われるものよりも一回り大きいくらいで、2人前用です。
すり鉢の中には茶葉が入っており、その横の小皿にはピーナッツ、黒ごま、白ごま、松の実、カボチャの種、など様々なタネ類が。用意が揃ったら、店員さんのご指導の下、お茶を飲むべく戦いが始まります。
一人がすり鉢を押さえ、もう一人がすりこぎを握りしめ、まずは茶葉が粉になるまですり続けます。すりこぎは両手を離して持って、テコの原理を応用するのがポイントだとか。やってみるとなかなか難しいです。
ある程度茶葉が粉になったら、タネ類を全部すり鉢のなかに入れて、それらが一体となるまでさらにさらにすり続けます。ピーナッツなど硬いものは擂っても擂っても形が残ったままなので大変! 仲間と交代しながら一所懸命擂り続けます。
時折、店員さんがすり鉢をのぞき「これじゃぁまだまだですね。もっとがんばって擂ってください」などと声援をくれます。10分以上擂り続け、タネ類の油分で全体がねっとりとまとまって来ればあと一息!
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