乗り手は主に、ゴールの旗を取る役目の奪標手、太鼓を叩くリズムで漕ぐタイミングを統制する鼓手、そして体力と技術が要求される複数の漕ぎ手と、漕ぎ手も兼ねる舵取りが必要。漕ぎ手が縦2列にならび、太鼓の音に合わせて力強く船を漕ぐと、水面を飛ぶように船が前進します。
要求されるのは、力強さよりもチームワーク。それぞれの漕ぎ手がどんなに力があっても、ばらばらではなかなか進みません。チームワークと体力づくりのため、各チームは早くから団体で練習を始め、練習に使える河が見つからないチームは、学校にある池など息を合わせる練習をしたりします。
ゴールは旗を取る役の奪標手が旗を取った時点なので、奪標手はゴール近くになると、舳先の龍の頭に腹ばいになり、大きく手を伸ばします。接戦の時は、この奪標手がいかに船の進行を妨げずに素早く手を伸ばすかがポイント。最大の見所です。
お祭りごとが大好きで、なんでも精一杯楽しむことをモットーとする台湾では、参加者だけでなく、観客も盛大な歓声をあげて場を盛り上げます。その場にいるだけで楽しくなるお祭り騒ぎ。勇壮さと楽しさを味わえるドラゴンボートレースは、なくてはならない伝統です。
●from 台北在住のさに:profile
台北市在住。台湾の音楽と屋台と廟と貧乏旅行を愛する食いしん坊。
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