月餅
2004年8月22日
ハノイの季節の風物詩と言えば、夏は真赤な火焔樹。秋は月餅売り、玉蘭(ハクモクレン)の香り。そして師走は梅の小枝、金柑の鉢植え、ミット(干し菓子)売り。そんな中から、今回は中秋節の月餅を紹介します。
月餅はもともと中国のお菓子で、小麦粉、砂糖、ラードで作った皮の中に、ラード入りのアズキ餡、または松の実・クルミ・ナツメ・スイカの種などを細かく刻み、蜜で固めたものなどを中に入れたもので、皮は生と焼いたものの2種類があります。
この月餅が中秋節(旧暦8月15日)の1ヶ月位前、8月の半ば位からあちこちでぽつぽつと売られ始め、10日位前になると、普段は何もなかった街角に突然月餅屋さんが次々と現れ、街中月餅屋だらけになります。もちろんスーパーや町の食料品店でも、月餅売り場に大きくスペースがさかれます。
ベトナムの月餅は、一見中国のものに似ていますが、中身は緑豆、ハス、ココナッツ餡など結構オリジナルなものが年々増えて来たような気がします。大きさは標準的なもので10センチ近くあり、厚さは2センチ位。形は角型と丸型で結構食べ応えがあります。大きなものは20センチを超える丸型や魚を模ったもの等もありますし、また去年あたりからは日本人受けしそうな6センチ位の小型のものも出てきました。
左の月餅は中心に京都と書いてあるのですが、わかりますか? これは日本の京都とは関係なく、月餅の有名店「キンドー」を漢字で表記したものです。化粧箱には「京都月餅」と書いてあり京の銘菓みたいで美味しそうでしょ。実際食べると美味しいんですよ。私のお気に入りは、焼き月餅の緑豆餡玉子入りです。この時期のベトナムを訪れたら、ぜひ一度お試しを。
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