●『地球で最後のふたり』について
『わすれな歌』をやった後に、監督のペンエーグが新しいものをやりたがっているという話を聞きまして、じゃあ今回は配給だけではなくて製作課程から出資することにして、作品を最後まで見届けたいなということで、ジェネオン・エンターテイメントさんと共同出資になりました。撮影がクリストファー・ドイル、主演が浅野忠信だったので、世界中からお金が集まってきた作品で、いろいろな国々の才能や感性が入って来ました。いろんな言語が飛び交って面白かったですよ。
面白いものを作ろうとして集まった人たちなので、クリストファー・ドイルは「ぶつかり合いながらも面白かった」と言っていたし、浅野さんも「すごくいい経験になった」と話してました。日本人側のキャスティングには意見を出せたので、クリストファー・ドイルが撮る竹内力なんて面白いだろうなあと思って、紹介してもらったら出ていただけることになって、他にも松重豊さんとか、ヤクザ役で三池崇史監督も出ています。タイ人の女性二人はほんとうの姉妹です。
タイにいながらヨーロッパ映画の雰囲気もあり、アジアで作るフランス映画みたいなすごくゆっくりした作品です。流れはスローなんだけど、ぜんぜん飽きないし心地いい。そして、最後にう〜んとちょっと考えさせる、面白いラブストーリーになったと思います。言葉も通じず接点が何もなくても、何かを持ってる人同士は地球のどこかできっと出会う、というテーマの作品です。原作はタイの若手人気作家プラープダー・ユンという人で、音楽やアート、脚本なんかもやっている才能のある人です。
●最近のタイ映画について