●オ・ジヌとチャン・ドヨンのキャラクターにはユ・ジテさん、クォン・サンウさんのキャラクターが反映されているそうですが?
監督「違うと否定されるかもしれませんが(笑)、私なりの印象をキャラクターに反映させてみました。クォン・サンウさんと最初に会った時は、あまりスター俳優らしくなくとても気さくな方で、茶目っ気のある悪戯っ子のような印象でした。非常に素朴で堅実な青年という感じでした。同時にドヨンと同じようにやや感情的な所もあったので、そういう面を反映させようと思いました。ユ・ジテさんは、自分の人生や演技、映画に対して自分なりの広い世界観を持っています。そして実際に、積極的、情熱的に生きているので、そういう姿をオ・ジヌの姿に重ね合わせてキャラクターを作りました」
●それを聞いてどう思いますか?
ジテ「公の場なのでいいことばかりおっしゃったのだと思いますが(笑)、映画の中のオ・ジヌは仕事しか知らず、家庭のことも顧みず、家庭を捨ててまで自分の欲望や信念を貫こうとした人物です。まるで、砂の城がだんだん崩れていくようなのですが、自分はそうなりたくないので、その部分は否定したいと思います(笑)」
監督「映画の中のオ・ジヌは、最後には崩れて失敗していく設定ですが、実生活のユ・ジテさんにはそういう失敗は決してないと思います(笑)。でも、ほんとうに仕事と映画しか知らない人間というのは確かではないでしょうか(笑)。クォン・サンウさんはお母さんお一人だけなんですが、ほんとうにお母さんに深い愛情を持っています。それはユ・ジテさんも同じです。そういった姿をチャン・ドヨンには反映させました」
司会「最後に、日本のファンにメッセージをお願いします」
監督「日本の観客の皆さんにいい印象をもっていただき、感動をたくさん味わって欲しいと思います。この映画は男性的に見えるかもしれませんが、ほんとうにいろんな要素を持っています。男性は男としての人生をもう一度考えることができると思いますし、女性には母性本能をくすぐられるような様々な感性が盛り込まれています。その部分が、日本の皆さんにも伝わればと思います」
ジテ「この映画に出て来るお母さんの姿には、監督の実際のお母さんの話も反映されています。なので、エンディング・ロールには『この映画を母に捧げる』という言葉が入っています。この映画は男性的な部分が強調されていたり、アクションが華やかだったりして、チャン・ドヨン、オ・ジヌ、ユ・ガンジンの生き様が野獣のように描かれている面もあるのですが、実はその裏には家族愛が深く描かれているのです。老若男女を問わず皆さんに楽しんでいただけると思うので、たくさんの方に観ていただきたいと思います」
川井「クォン・サンウさんやユ・ジテさんが体をはって命がけで撮った素晴らしい作品なので、どうか皆さん観に来てください」
ここで、監督から川井さんに向けて一言。
監督「私はこの映画を撮る前から川井さんの大ファンでした。一緒にお仕事ができてほんとうに光栄に思っています。私が考えた以上に素晴らしい音楽を付けてくださって、心から感謝しています。今回、外国スタッフの皆さんと交流する機会があり、外国スタッフの方たちにも大変いい印象を持ちました。今後も日韓の間で、こうした交流ができるような機会にもっと恵まれればと思います。この映画はクォン・サンウさん、ユ・ガンジン役のソン・ギョンホさん、ユ・ジテさん、スタッフの皆さん、川井憲次さんが、ほんとうに一生懸命力を尽くして参加して作ってくださった映画です。もしこの映画の中に長所があるとしたら、それは皆さんのおかげです。短所があれば、すべての責任は私にありますので、短所については私に言っていただき、お誉めの言葉があればどんどん誉めていただきたいと思います」
司会「ありがとうございました」
と、ここで遅れていたクォン・サンウが登場! 壇上の皆も歓んで歓迎となる。
サンウ「今朝、起きたらちょっと体調を崩しており、遅れてしまったことをお詫び申し上げます」
司会「出演の感想をお願いします」
やっと主役の二人が揃った記者会見。 最後にツーショットが撮れてよかった…
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サンウ「自分が出演した映画にはそれぞれに意味があり、いい印象としてありありと記憶に残っていますが、今回の『美しき野獣』という作品では、ユ・ジテさん、キム・ソンス監督、そしてキム・ソンス監督にちょっと似ている音楽の川井さんと御一緒できてほんとうによかったです。これまでに女優さんたちと共演した映画よりも、むしろ幸せな気持ちで一生懸命取り組んだ映画です。約6ヶ月間の撮影を経て、その間は自分の体を酷使して、スタントはまったくなしでアクションにのぞみました。皆さんにぜひ生身のアクションを見せたいという思いで、自分にとっては体力的な追求になりましたが、とてもいい思い出として記憶に残っています。かなり水準の高い作品ができたと思いますので、どうか皆さんに気に入っていただければと思います」
すでに劇場でご覧になった方も多いと思いますが、ユ・ジテの綿密な演技、クォン・サンウの体を張ったアクション、監督が映画に込めたメッセージが伝わったでしょうか?
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