左よりキム・ソンス監督、クォン・サンウ、ユ・ジテ、川井憲次
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2006.1.26
グランドハイアット東京 (六本木)
2人の男が巨悪に挑む刑事アクション『美しき野獣』。クォン・サンウが今までの王子様的イメージを破り、熱血感溢れるダーティな刑事役に挑戦しています。残念ながら、記者会見には体調不良でぎりぎり到着となったクォン・サンウでしたが、もう一人の主役ユ・ジテが本作での演技や役柄について語ってくれました。また、これが長編映画デビューとなるキム・ソンス監督が、賛否両論の論議を生んだ結末も含めて映画に込めた熱い思いを語ります。
まずは、3人でのご挨拶から。
監督「たくさんの方に歓迎していただきありがとうございます」
ジテ「こんなにたくさんの方に集まっていただいたので、日本でもきっといい結果が出ると思います。これからもいい演技をお見せできるようがんばります」
川井「この映画に音楽で参加できてとても幸せです」
司会「13本目の作品ですが、どういう思いで出演されましたか?」
ジテ「最初、クォン・サンウさんとの共演が決まった時は、私たち若い人間の覇気や情熱を観客の皆さんに披露して、いい評価をもらって認められたいという思いが強かったです。世間の評価や好みは人によって違いますが、とにかく若い人間の情熱を見せたいという思いが強かったのです。完成した今ではそういう評価よりも、ベストを尽くしたということに満足しています。この映画を見て気に入っていただけたら、どうか誉めてください。もし気に入らないところがあれば、忌憚なく批判していただきたいと思います」
司会「長編映画のデビュー作ですが、描きたかったテーマは何ですか?」
監督「この映画は、現在の力が支配する世の中で3人の人間が運命的に出会う物語です。スター俳優が出ているアクション映画、ボディ・ムービーというのではなく、私たちが生きていく中で守るべきものは何か、もう一度考えて欲しいという気持ちを込めて作りました。守らなくてはならない物を忘れてしまうことは、よくあると思います。例えば愛する人を守ることや、家庭を守ること。そして社会の法律や道徳、価値などは守らなくてはならないものですが、現実にはなかなか守られていません。私たちは今何を守ったらいいのか、ということを考えて欲しいと思いました」
司会「川井さんは『セブンソード』などアジア映画でも活躍されていますが、この映画ではどんなことを表現しようと思いましたか?」
川井「監督からは、アクションシーンを目立たせる音楽ではなく、むしろ感情的な悲しみを表現して欲しいと言われました。それで、地味かもしれませんが、内面の出る音楽を目指しました」
●今回、ユ・ジテさんもクォン・サンウさんも激しいアクションを演じていますが、現場でのエピソードは?
監督「クォン・サンウさんはほんとうに危険なアクションをこなしてくれました。以前からファンの皆さんに、今回の映画で本物の演技を見せると宣言していたので、その約束を守ろうという意欲に溢れていました。本来ならスタントマンを使うようなシーンでも全部自分でやると言い、危ないからと止めても、約束を守るんだという意欲ですべて乗り越えました。幸い、事故もなく無事に撮影を終えることができました。
(c)2006 Showbox & Pop Corn Film.
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ユ・ジテさんはアクションよりも感情表現の方が多く、感情の起伏がとても深かったのです。だんだん激しくなる感情の変化を表現するのが、とても難しかったと思います。この映画を撮るために、体重を10キロも減らしてくれました。専門用語がたくさん出てくるのでセリフも大変難しかったのですが、部屋に防音装置をつけるなどして、一生懸命練習してくれました」
●ユ・ジテさんは性格俳優を目指しているそうですが、目標にしている俳優さんは?
ジテ「映画は商業であり芸術でもあるので、いわゆるスターであることと俳優であることを両立させるのは難しいと思います。そんな中で私は、ユ・ジテが商品化された映画というよりも、あくまでもユ・ジテという人間の演技に期待して欲しい。そういう思いを込めて、性格俳優になりたいと言いました。目標とする俳優は、女性ならイザベル・ユベールさん、男性ならジェレミー・アイアンズさんです。彼らのような知的なオーラを持った俳優になりたいです。日本では、高倉健さんや役所広司さんが好きです」
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