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ASICRO FOCUS file no.37

「デュエリスト」来日記者会見

p6

たしかに身長差はかなりある二人。

共演してみてのお互いの印象はいかがですか?

 ドンウォン「(ちょっと考えてから)今回は、ひさしぶりに会ったような感じですね。以前にもこういう質問は受けましたが、昔は自然に第一印象とか話せたんです。でも、今はもう知り合ってからかなり時間が経つので、とても親しくなったなあという感じです。歳は私より少しだけ上で、非常に気楽で面倒見のいいお姉さんみたいです(笑)。撮影時の印象ですが、女性がアクションをするのはとても大変なのですが、準備の頃からほんとうに頑張っていて、不満一つ漏らさず一生懸命やっておられました。運動量も私と同じくらいで、ほんとうに努力する方だと思います」

 ジウォン「お会いする前は、とても人見知りする方だと聞いていました。でも実際にお会いしてみると、そのようなことはありませんでした。初対面の時は、とても眠そうな表情で現れたのが印象に残っています(笑)。一緒にいて、とても楽な方ですね。練習中はよく目を合わせることがありました。練習の時に手を取り合って一緒にダンスを踊ったのが、映画の撮影にとても役立ったと思います。彼はとても一生懸命なタイプで、そしてたくさん眠る人なんです。(会場笑)よく遅刻してました(笑)。でも練習は一生懸命で、夜中の2時や3時までやっていました。彼とはよく気が合うんです。アクションシーンを見てもそうなんですが、私が知っていて彼が知らないことは私が助け、私が知らなくて彼が知っていることは彼が助けてくれる、そういう関係なのでとても呼吸が合いますし、今でもとても親しくしています」

「悲しい目」という名前にした理由は? また最後までほんとうの名前を明かさなかったのはなぜですか?

p7

監督が認めた「悲しい目」。
 監督「この映画は2つの観点から見ることができます。1つはハ・ジウォンさんが演じるナムスンの悲しい初恋、もう1つはカン・ドンウォンさん(が演じる男)の初恋です。ここで重要なのはナムスンの初恋で、初恋というのははっきりした記憶として残っているものではなく、自分の心の中で作られるものだと思うんですね。ですから、それが実体を持つと別物になってしまいます。心の中の感情を残すために、最後まで名前を明かしませんでした。『悲しい目』というのは、やむを得ない事情から悲しい目を持たざるを得なかったという設定なので、そのように名付けました。カン・ドンウォンさんの目を見た時は、彼こそ『悲しい目』にぴったりだと思い、出演をお願いしました」

「悲しい目」という名前はどうでしたか? 実際に自分で自分の目を形容するとしたら?

p9

つい見上げてしまうハ・ジウォン。
 ドンウォン「私の目を例えるならば、悲しい目というよりも、ハ・ジウォンさんがよく言っていたように『眠たい目』というのが合うと思います(笑)。眠そうな目と悲しい目とは合い通じるものがあるような気がしますし、その表現が合っていると思います。『悲しい目』というのは例えで、映画の設定上の本名ではなかったので、韓国での撮影中は私たちの間で何か名前を付けようということで、実は『ボッパル』という名前がありました。『ボッパル』というのは韓国語だと田舎くさい、野暮ったい名前です。日本にもそのような名前があるんじゃないかな」

スラリとした長身でスーツをラフに着こなしていたカン・ドンウォン。立つとこの通り(下)さすがにキマっています。ややぽっちゃりした小柄なハ・ジウォンとの組合せもなかなか。
くるくる表情の変わるハ・ジウォンはやっぱりセクシーでかわいらしい印象でした。


p10
 今回、日本で公開されている『デュエリスト』は、昨年韓国で公開されたものとは違い、日本の観客に合わせた再編集ヴァージョンです。一体、どのように変わっているのでしょう?

日本公開版ではエモーショナルな部分を意識したそうですが、他に意識したことは? またフランスでも公開されますが、どのバージョンで公開しますか? またその他の海外での公開は?

 監督「監督にとって、もう一度編集の機会を与えられるのは大変うれしいことです。日本版では情緒的な部分に焦点を合わせようと思い、カン・ドンウォンさんとハ・ジウォンさんのラブストーリーを際立たせるために、不必要と思われる部分を削除しました。具体的に言いますと、プロローグとエピローグという説明部分があったのですが、説明を加えるよりも直接二人の演技で見せようと思い、その部分はカットしました。フランスでは120以上の劇場で公開予定ですが、フランス版はラストシーンにより多くの余韻を与えるため、説明部分をカットしました。その他にもドイツやロンドンでの公開予定がありますが、それぞれの国の感情や情緒に合わせて修正する機会が与えられることは、監督にとって大変うれしいことです」

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更新日:2006.4.27
●back numbers

イベントの表記
司会・質問者
ドンウォン(カン・ドンウォン)
ジウォン(ハ・ジウォン)
監督(イ・ミョンセ)
●イ・ミョンセ(監督)
1957年生まれ。79年にソウル芸術専門大学映画科を卒業後、助監督などを勤め、『ギャグマン』(88)で監督デビュー。『マイ・ラブ、マイ・ブライド』(90)で大鐘賞や青龍賞をはじめとする新人監督賞を総なめにし、映画評論家協会賞脚本賞も受賞する。

コメディ作品を多く手がけたが、『激しい愛』(96)で映像美が注目され、『NOWHERE/情け容赦無し』(99)で国際的にも知られるように。4年間のアメリカ滞在を経て、本作でまた新たな映像世界を作り上げている。
filmography
・ギャグマン(88)
・マイ・ラブ、マイ・ブライド
 (90)
・初恋(93)
・男はつらいよ(95)
・激しい愛(96)
・NOWHERE/情け容赦無し
 (99)
デュエリスト(05)
『デュエリスト』公開情報

デュエリスト

デュエリスト2

4月22日より丸の内プラゼール他、全国松竹・東急系にて公開。
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