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ASICRO FOCUS file no.46

Van Ness Wu 2006 VAN-DALISM in Tokyo

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photo/福岡諒祠 (大きい写真を見る)
写真提供/Sony Music Japan International

 続いては、日本語の歌コーナー。ファンが歌って欲しい日本語の歌で1位になったという、徳永英明の「最後の言い訳」を、ややたどたどしい日本語で。そして、ピアノ伴奏でしっとり歌ったのはオフコースの「言葉にできない」。途中から、「ラララ ラララ 言葉にできない」と観客も一緒に歌い出し、まさに言葉にできない感情をファンと共有。歌い終えて「言葉が違うのに僕を受け入れてくれてありがとう」と、ヴァネスも感動していたようでした。

 しみじみした後は「I was born to love you」で再びヒートアップ。その後「ファンのためのスペシャルソング」として歌った「流星雨」では大合唱が起こり、最後の花火が『流星花園』の世界を演出。ラスト・フレーズのタメ部分で、ファンに先を歌われてしまい「え?」という顔をしたのはご愛嬌。最後はちゃんと自分で締めました。

 ヴァネスを応援するために、F4ファンが結集した今回のコンサート。それまでちょっと忘れかけていた「F4のヴァネス」を再認識し、F4ファンの存在の大きさをあらためて実感した瞬間でした。それにしても、一人で全パートを歌ったヴァネスはえらいぞ。

 コンサートも終盤に近づき、懐かしい「ジャングル・ブギー」に合わせてバンドメンバーの紹介へ。通常、バンド紹介はホストであるヴァネスがやることなのですが、今回はバンド自身による紹介。おそらく、演出上やむを得なかったのかも。というのも、その後で、なんと縄梯子につかまったヴァネスが空中から登場したのです! ステージ左上から右へとワイヤーアクションのように移動し、ロープをつたってステージへ着地。

 ゲストのニッキー・リーさんも加わって、いよいよラストはヴァネスの本領発揮。ダンス・タイム。D.J. Tommy によるアメリカン・ヒットソングのリミックスに合わせて、マイケル・ジャクソンなど様々なタイプのダンスを踊るヴァネス。ダンスで終わるコンサートというのも珍しいけれど(締めとしては、ややわかりにくいけど)、ダンスが好きでたまらないヴァネスらしい構成に納得。最後はダンサーたちを紹介し、全員で手をつないでご挨拶。まるでミュージカルのようなエンディングでした。

 もちろん、そのままでは終わらず、熱い「ヴァネス」コールが。アンコールはバスローブ姿で登場し、「Celebration」で賑やかに幕を閉じました。

 約2時間のステージを、ヴァラエティに富んだ構成で見せたヴァネス。自分のアルバムからの曲と同じくらい、英語の曲、しかも80年代の欧米ヒットソングを選んだヴァネス。それはF4の時とは違う、自分だけの世界を充分にアピールするステージになっていました。歌とダンスという点では、最近のK-Popスターたちの影響も垣間見えつつ、一方で、鍛えぬいた身体と華やかなダンス・パフォーマンスを見せることにこだわったステージに、古くからの華流ファンの中には、かつてのレスリー・チャンのコンサートを思い起こした人もいたことでしょう。それ程、個性的なステージを披露したヴァネスが、これからどんな風に発展していくのか楽しみです。

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9日の夜はKangtaがアンコールに登場!(大きい写真を見る)
(c) F4ever

 尚、9日のステージを観た人の話によれば、初日はやはり、かなり硬くなっていたとのこと。9日の夜公演では、『SCANDAL』のPRで来日合流したKangtaがアンコールで登場し、Kangta & Vanness による初ステージで「Scandal」と「127日」を披露しています。(これは観たかった!)

 また、ファンからの提案によるヴァネスへのサプライズとして、8日はヴァネスへのメッセージ短冊、9日は黄色い風船や、ヴァネスのお誕生日(8/7)を祝う紙飛行機も用意されていました。ファンからの暖かい愛情は、ヴァネスを通じて、F4の他のメンバーたちにも届くことでしょう。さらに、この最後の追加公演の報酬を、ヴァネスが日本ユニセフに全額寄付したという心暖まるニュースも付け加えておきます。(アジコ)



▼ライブレポート1▼Kangta & Vanness インタビュー▼公演発表会見
更新日:2006.7.18
●back numbers
ヴァネスが歌った
懐かしのヒット曲・豆知識

Basket Case
アメリカのロック・バンド、グリーン・デイの94年の大ヒット曲。アルバム『Dookie』に収録。Puffy もカバーしてます。
Amazing Grace
賛美歌やゴスペル(黒人霊歌)としてよく歌われる名曲。最近、CMやBGMでもよく使用されポピュラーになりました。作詞したのは奴隷船の船長から牧師になったイギリス人のジョン・ニュートンで、晩年は奴隷制廃止運動に影響を与えています。
Kissing a Fool
元ワムのジョージ・マイケルが歌った87年のヒット曲。アルバム『Faith』に収録。今やスタンダードとして広く歌われています。
最後の言い訳
ベストアルバムに必ず入っている、徳永英明の88年のヒット曲。「ヴァネスに歌って欲しい日本語の歌」投票の1位に選ばれたそうです。ファンの皆さんには、うれしいプレゼントでしたね。
言葉にできない
81年、解散直前のオフコースの名曲。脱退する小田和正のオフコースへの心情が込められた、実はとってもせつない歌。
I was born to love you
クイーンのボーカリスト、フレディ・マーキュリーが初めて出したソロ・アルバム『Mr. Bad Guy』からのシングルヒット曲。日本ではCMやドラマの主題歌にも起用され、今やクイーンの曲として知られています。
Celebration
70年代のディスコブームを担ったクール&ザ・ギャングの80年のヒット曲。8日のバンド紹介の時にも、同じクール&ザ・ギャングの73年のヒット曲「Jungle Boogie」が演奏されていました。

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