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ASICRO FOCUS file no.62

主演3人が語る「王の男」の魅力 来日記者会見

コンギル

この唇に幻惑されたか?! 撮影中、思わぬ事故に!
(C)2005 Cinema Service Co., Ltd.
Q:芸人の役でしたが、撮影中のエピソードを教えてください。

 ウソン「今回はいろいろなことを、習わなければなりませんでした。パンソリや綱渡りはもちろん、踊りから何まで韓国の民族的なものはすべて身に付けていなければなりません。それが自然に見えるよう、撮影前の2ヶ月間を訓練期間にあてました。

 撮影中はいつも、皆の呼吸が合っていたので、予定のスケジュールより早く終わりました。時間の余ることがたくさんあったので、こちらから監督に『もっと撮りましょう』と提案し、即興でいろんな撮影をしました。コンギルとチャンセンがアドリブで、1カット1シーンで撮った場面があったのですが、その時、互いに近づき過ぎて、先ほどお話したコンギルの唇とチャンセンの唇がぶつかり、口の中に怪我をしてしまいました。表面にはメイクで傷を作っていますが、実は口の中を6針縫いました。ただ残念なことに、そのシーンはカットされたので本編には入っていません」

 ジュンギ「申し訳ありませんでした(笑)。僕も撮影中に、何度か危険な目に遭いました。とても緊張しているので、ちょっとでも緊張がほぐれると怪我をしそうになることがよくありました。それから、役になり切ろうとしてお酒を飲んだ時、酔って階段から落ちてしまいました。大怪我をしていたら、自分のせいで撮影が延期されるところでした。今となっては、エピソードというか思い出になりましたが。昔の村を再現した民族村でも、ときどき撮影をしました。外国人も見物に来ていて、僕のことを韓国の美しい女性だと思い、一緒に写真を撮ってくださいと言われることがよくありました。そんな時は妙な気分がして、不愉快になることもあったんですが、一緒に写真を撮る時に、男だとわかるように地声を出したら、外国人が逃げたこともあります(笑)。不愉快と言いましたが、それも役作りができているということなので、満足もしていました」

衣装の展示

撮影に使用された衣装が展示されていました
Q:韓国で大ヒットしましたが、その後、生活で変わったことはありますか?

 ウソン「撮影が終わってから1年以上になります。その間、別の映画も撮っていますが、どの作品にも同じ姿勢で臨まなければいけないと、いつも努力しているつもりです。この作品は韓国で関心を集め、今では外国からも興味を持っていただいていますが、自分自身は何も変わりません。ただ1つ、この映画に出たことは、まるで試験を受けてやっと無事にパスしたような気持ちです。韓国で公開された時は、あまり有利でない条件での公開でした。外国の大作はあったし、韓国映画でも製作費の大きな作品が同じ時期に公開され、競走でした。そんな中で記録もでき、観客の声援に支えられて成功しました。ご覧になる時は、韓国的題材を扱い、人間性豊かなディテールにこだわった、いろいろな人間の感性が描かれている映画として見ていただけたらと思います。人間愛が描かれているので、その部分を見つけるつもりでご覧になれば、感動できると思います」

 ジュンギ「多分、先輩方は経験豊かなので、周りに関心をもたれてもうまく心を鎮め、落ち着いていられるのだと思います。僕の場合は、まだまだ未熟者なので、たくさんの方に愛されるようになり、心の中でどこかぎこちなさを感じていました。急に注目されてしまったような気がして、最初の数カ月間は戸惑うこともよくありました。でも、この映画はほんとうに多くのいい経験を与えてくれました。いろいろ騒がれて、ちょっと心に傷を負った部分もありますが、結果としては、俳優として大きな夢を持つことができました。人気に頼らず、これからも先輩方のように、一生懸命心を込めて映画を撮り、『いい俳優だね』と言われるようになりたいと思います」

笑顔のキャスト

素顔の3人はこんな感じ。やっぱり笑顔がよいですね。
 ジニョン「変化という面では、撮影前と後ではありません。ただ、ちょっと老けたかなというくらいです(笑)。『王の男』は韓国でほんとうに多くの方に愛された映画です。映画を作る人たちは、興行成績がどうこうというよりも、まず映画を撮って、観客の皆さんと意思の疏通をしたい気持ちで作っています。幸い、多くの方に観ていただき、よい評価もいただいてうれしいです。これから日本をはじめ、外国でも上映されますが、自分の人生や周りの状況を振り返ったり、自分の運命を考えたりと、そういう余韻のある映画なので、特別な視線や偏見を持って観るのではなく、どうぞ落ち着いた気持ちで楽しんでください」

 会見中、緊張しているのか、人形のようにほとんど動きのなかったカム・ウソン、売れっ子で忙しいせいか、ちょっとお疲れモードだったイ・ジュンギに比べ、映画では恐い王様を演じているけど、この日、一番ユーモラスでお茶目だったのがチョン・ジニョン。最後は冷静に作品をアピールして、締めくくってくれました。



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更新日:2006.12.10
●back numbers

記者会見の表記
司会・質問者
ウソン(カム・ウソン)
ジュンギ(イ・ジュンギ)
ジニョン(チョン・ジニョン)
俳優プロフィール
イ・ジュンギ

1982年4月17日、釜山生まれ。ソウル芸術大学、映画科。日本人ぽいルックスから、日本の映画、ドラマで活躍。3作目にあたる『王の男』で大ブレイク。大鐘賞の新人男優賞・男性人気賞・男性海外人気賞の3冠に輝いた他、多数の新人賞を受賞する。素顔はテコンドーを得意とるす男っぽい性格。現在、日韓合作映画『ヴァージン・スノー』を撮影中。
filmography
drama
・Star's Echo/
 あなたに逢いたくて(04)
 *日韓合作ドラマ
・星の声(04)
・私どうして(04)
・マイガール(05)

movie
・ホテル・ビーナス(04)
 *日韓合作映画
僕らのバレエ教室(04)
王の男(05)
・フライ・ダディ(06)
 *2007年公開予定
・ヴァージン・スノー(06)
 *日韓合作映画(撮影中)