フォトセッションはポスターと同じ配列で。
左よりカム・ウソン、チョン・ジニョン、イ・ジュンギ
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2006.9.25
ホテル・オークラ(赤坂)
2006年後半は、韓国の興行成績を塗り替えた話題作が続々公開されています。そのトリを飾るのが、12月9日より公開中の『王の男』。それは、朝鮮王朝史上、悪名高い燕山君(ヨンサングン)と、彼に召し抱えられて王宮にあがった旅芸人たちとの愛憎劇。主要キャストの来日記者会見は、9月末に行われました。主役を演じたカム・ウソンとイ・ジュンギ、そして王を演じたチョン・ジニョンが、それぞれの役所・見所について語っています。まずは、ご挨拶から。
*注:結末に触れる部分は伏せ字(白文字)にします。カーソルで選択して読んで下さい。
ウソン「チャンセン役を演じたカム・ウソンです。皆さんにお会いできてうれしいです」
ジュンギ「(日本語で)はじめまして。コンギル役を演じましたイ・ジュンギです。よろしくお願いします」
ジニョン「コンニチハ。ヨンサングンを演じましたチョン・ジニョンと申します。皆さんにお会いできてうれしいです」
Q:役作りで注意した点をそれぞれ教えてください。
ジニョン「ヨンサングンは歴史の中では暴君と書かれていますが、私が演じたのは暴君の姿ではなく、悲しい人間の姿を浮かび上がらせたいと思いました。監督も今までとはまったく違うヨンサングン像を望んでいました。演じる上で特に気をつけたことはありません。普段はいろいろ準備をする方なのですが、今回はヨンサングンの内面を感じ取って演じようと思ったので、あまり準備しませんでした。幸い、ヨンサングンの内面を自分で感じ取ることができましたし、観客の皆さんにも内面を見ていただけたようなので、とてもうれしいです」
ウソン「今回は個人的にまったく経験したことのない役柄で、初めてのことがとても多かったです。民族舞踊やアクロバットなどは、初めての経験でした。熟練した芸人に見えるよう、撮影前に多くの準備期間を設け、そこに重点を置きました。原作はヨンサングンとコンギルが中心の話ですが、映画では脚色をして、ヨンサングン、コンギル、チャンセンの3人が主人公になっています。そこで、内容に関しては、コンギルとチャンセンが一緒の場面では、コンギルを通してチャンセンが目立ち、チャンセンを通してコンギルが目立つというように、切っても切れない縁の部分に重点を置きました」
ジュンギ「コンギルというのは、男でも女でもない、中性的なキャラクターだったと思います。僕は男ですから、そういう役作りをするにはどうしたらいいか、最初は恐い気もしていました。芸人の中でも女性の役柄が多かったので、女性的な身のこなしがとても難しく大変でした。また、コンギルには何を考えているのかわからないようなところがあったので、その神秘性に重点を置いて演じなければと思いました。何かを表現したり行動したりする時も、何を感じているのかわからない、そういう印象を持たせるような演技が要求され、とても難しかったです。先輩のカム・ウソンさんにアドバイスをいただいて、なんとか消化できました」
司会「女性の目の動きなどを参考にされたとか?」
ジュンギ「意図的に目線の動きを作った訳ではないのですが、先輩たちと相談しながら、どういう風に作っていったらいいかを考えました。僕はもともと目の動きがとても強い方なので、コンギルの純粋で神秘的な部分をどういう風に目で表現するかをかなり考えました。周りから、こういう映画を観たら参考になると薦められた映画を観たりして、特に女性の目の使い方や眼差し、目の動きを研究しました」
Q:その参考にした映画とは?
ジュンギ「2本あったのですが、1つはタイトルを忘れてしまいました。もう1つ(タイトルが聞き取れず)は、内容よりも女性の目の動きに特に注意するようにと、カム・ウソンさんが薦めてくださいました。男が女を演じるというよりは、いっそのこと女性の目だけに集中して研究するようにと言われました」
Q:原作は舞台劇と聞いていますが、シェイクスピアを感じられたことは?
ウソン「映画を撮る前に、イ・ジュンイク監督は、この映画にはシェイクスピアの要素がかなり取り入れられており、それについては自負心があるとおっしゃっていました。それによって、この映画の完成度が高まるとも。たしかにこの映画の中には、シェイクスピア作品の要素があちこちに散りばめられていると思います。原作(舞台劇『繭』)にも、そのような影響がたくさんあったのではないでしょうか」
ジニョン「映画の中に芸人が出て来ますし、劇中劇のようなものも展開しますので、『ハムレット』のようなものを連想されるのではないでしょうか。監督がシェイクスピアの要素があると言ったのも、そういう部分だと思います。でも、監督は監督なりに、卓越した演出力で引っぱっていかれました。たしかに、シェイクスピアの要素も含みつつ、韓国の様々な伝統的なものも凝縮されていたように思います。監督はよく『この映画は難易度が高い映画だ』とおっしゃっていました。観客の皆さんに楽しんで観ていただけたか、ちょっと気になります」(続きを読む)
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