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ASICRO FOCUS file no.62

主演3人が語る「王の男」の魅力 来日記者会見

王の男

こちらはポスターとなったショット。
(C)2005 Cinema Service Co., Ltd.
 ジュンギ「先輩がいいお話をしてくれました。監督も、かなり悩んでいたのではないでしょうか。映画には暖かさもあるのですが、そのシェイクスピア的な要素が目立ってしまい、ちょっと力の入り過ぎた悲劇のように感じられてしまうかもと。監督もかなり悩みながら、一生懸命撮っていたと思います。皆が一丸となって、新しい映画を作りたいという気持ちで撮影に臨んでいました。この映画に参加できてとても光栄でしたし、大変満足しています」

Q:王とコンギル、コンギルとチャンセンの関係を、それぞれどのようにとらえて演じましたか?

 ウソン「チャンセンとヨンサングンの関係ですが、チャンセンは権力とは関係のない所で、自由を追い求めている人間です。最後に彼は死を選びますが、権力に対抗して自由を追い求めるには、それしか手段がなかったという結末になっています。また、それはコンギルとの関係においても必然的な選択でした。コンギルのために、また自分自身の自由のために死を選んだと思います

チャンセンとコンギル

兄弟のような絆で結ばれたチャンセンとコンギル
(C)2005 Cinema Service Co., Ltd.
 ジュンギ「この質問はよくされるのですが、コンギルとチャンセンの関係は切っても切れない兄弟のようなもので、コンギルが妹ならチャンセンが兄というような関係だったと思います。また、ヨンサングンとの関係では、コンギルには親がいませんし、ヨンサングンも同じような環境で育っているので、ヨンサングンに対して母性本能のようなものもあったでしょう。しかし、それらは決して同性愛ではなかったと思います。そういう風に言われるのは負担でした。演技をしている時も、同性愛を描くという意識はまったくなく演じていました。最後に悲劇を迎えますが、コンギルはチャンセンとずっと夢見てきた自由というものに戻りたいという気持ちで、あのような人生の終わり方を選んだのだと思います

 ジニョン「チャンセンとコンギルにとって、ヨンサングンとはどういう人物だったか、おそらくわからなかったと思います。監督もそういう描き方を望んでいました。つまり、つかみどころのない人物です。観客がヨンサングンを見ても、彼が何を考えているのかわからない、そういう風に描いて欲しいということでした。このヨンサングンは歴史上では有名な人物ですが、私自身も演技をしながら、彼がどういう人物なのかはっきりわかりませんでした。わからないまま準備をして現場に行き、撮影しながら、なにか新しいことを感じた時に、それをそのまま演技に取り入れるというやり方で演じました。つまり、その瞬間は役になりきり、現場で感じたことを役に反映させたということです。このようなやり方は、初めての経験でした。演じている私でさえ、どういう風にヨンサングンをとらえていいかわからない、そういう部分がありました。

ヨンサングンとコンギル

ヨンサングンはコンギルの美しさに惹かれるが…
(C)2005 Cinema Service Co., Ltd.
 歴史上の実際のヨンサングンは、クーデターによって失脚した後、島流しになり、そこで30代前半で死ぬという人生を送っています。果たしてヨンサングンはコンギルを愛していたのか? チャンセンに嫉妬していたのか? とよく聞かれるのですが、私はけっしてそうは思いません。ヨンサングンはコンギルを愛せなかったのではないでしょうか。自分自身が愛を知らず、愛を持たずに生きて来た人物ですから、そういう人は、他の人を愛することができなかったのではないかと思います。私がある役柄を演じる時は、その人の職業などをよく考えて演じます。例えば、僧侶の役を演じた時(『達磨よ、遊ぼう』など)は、このように演じたら批判されるのではないか、と思ったりすることもあるのですが、ヨンサングンの場合は、おそらく誰も彼の味方をしていなかったでしょう。それほど、ヨンサングンという人物は寂しい人間だったのです」

Q:女性より女性らしい人物を演じられましたが、撮影後にその仕種が残ってしまったことはありますか?

 ジュンギ「身のこなしや言葉使いが残ってしまい、それを消すのがとても大変でした。後の作品の監督も、苦労していたようです。4ヶ月もコンギルをやっていたので、その役から抜け出すのは大変な作業でした。映画が終わった後も、男でも女でもない曖昧な動作が残ってしまったんですが、逆に言えば、それだけ役柄になり切っていたということでしょう。現場ではとにかく、できるだけきれいに見られたいと、愛されたいという気持ちでいました」

Q:カム・ウソンさんは、撮影中に不覚にもイ・ジュンギさんにくらっとしてしまったことはありますか?(場内笑)

コンギルとノクス、ヨンサングン

ヨンサングンの愛妾ノクスはコンギルの美貌に嫉妬する
(C)2005 Cinema Service Co., Ltd.
 ウソン「(それまで能面のように不動だったカム・ウソンが、やっと笑って)実はイ・ジュンギさんはとても男らしいので、逆に困ることがたくさんありました(笑)。オーディションで初めて会いましたが、コンギル役のオーディションですから、普通は女性ぽい感じで来ると思いますよね。ところが、先ほどのように『こんにちは。イ・ジュンギです』と男っぽい低い声で挨拶され、この子は一体何なんだろう?と当惑してしまいました(笑)。映画は原作と違い、コンギルとチャンセンの同性愛は強調していないので、私も異性としてではなく、あくまで運命を共にするパートナー、相棒としてコンギルのことを考えていました。ヨンサングンの見方は、またちょっと違うかもしれませんが、少なくとも私にとっては、異性としての感情はまったくありませんでした。ただ、イ・ジュンギさんは唇がすごくきれいなんですね。演技をしながらその唇を見て、ちょっと満足するようなことはありました(笑)」(会場笑)

 司会「ジニョンさんはどうでしょう?」

 ジニョン「撮影が終わってからずいぶん経ちますが、ヨンサングンがコンギルに対して持っていた感情は、執着だったのではないかと思います。個人的に言えば、イジュンギさんは好みのタイプではありません(笑)」と、きっぱり。(会場笑)(続きを読む)


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更新日:2006.12.10
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記者会見の表記
司会・質問者
ウソン(カム・ウソン)
ジュンギ(イ・ジュンギ)
ジニョン(チョン・ジニョン)
俳優プロフィール
チョン・ジニョン

1964年10月16日生まれ。ソウル芸術大学演劇科卒業。韓国を代表する演技派俳優の1人。舞台で活動を始め、イ・チャンドン監督に見出されて映画スターとなる。『約束』(98)で大鐘賞映画祭助演男優賞を受賞。
filmography
movie
・閉じられた校門を開けて
 (92)
・テロリスト(94)
・グリーンフィッシュ(97)
・約束(98)
・The Ring Virus(99)
・アウトライブ(2000)
達磨よ、遊ぼう!(02)
・ガン&トークス(02)
復讐者に憐れみを(02)
・ムッチマ・ファミリー(02)
黄山ヶ原(03)
・ワイルド・カード(03)
シルミド/SILMIDO(03)
・かわいい(04)
・知ってる女(04)
達磨よ、ソウルに行こう!
 (04)
トンマッコルへようこそ
 (05)
・私の結婚遠征記(05)
拍手する時に去れ(05)
王の男(05)
・マイ・キャプテン
 キム・デチュル(06)
・偉大なる系譜(06)