司会「その分、現場での監督はきびしいですか?」
レオン「実は現場では、監督が怒った顔を一度も見たことがありません。しかし、大きなプレッシャーを受けているのは事実ですから、きっと奥様がいろいろと八つ当たりをされていたのではないでしょうか。(会場笑)この場を借りて、ツァイ夫人にお礼を申し上げたいと思います。皆の代わりに、いろいろとがんがん言われたことでしょう。ほんとうに、ありがとうございました(笑)」
●撮影は大変だったそうですが、その間にスタッフと出演者の絆が深まったようなエピソードがあれば教えてください。
レオン「正直に言いますと、私たちは日本のTVドラマを長い間ずっと観て来ました。日本のドラマはとても丁寧に作られていて、ハイレベルでクオリティが高く、いつも感心していました。そこで、今回の撮影現場では、皆、日本のドラマと同じような、レベルの高いドラマを作りたいと願っていました。なので、このドラマは、全員が力を合わせて一生懸命やった結果です。このドラマが日本で放映されてから、どのような反応があるか、とても関心を持っています。日本の視聴者の皆さんは、とても目が肥えていますので、どのような意見やコメントがいただけるか、今から緊張していますし、楽しみでもあります」
●共演者の方との印象的なエピソードがあれば、それぞれ教えてください。
最初に回答をふられてしまい
ジェリー「エイ?(会場笑)撮影現場は大変ですが、楽しいこともいろいろありました。撮影期間は1年間でしたが、その前の準備期間を含めるとすごく時間がかかっていて、長い時間をかけていい仕事をしようという気持ちは皆同じでした。現場でのエピソードというと、とても深く印象に残っていることがあります。撮影現場は病院なので、撮影している傍で、ほんとうに人々が亡くなっていくことがありました。家族が悲しんだり、泣いている場面を見るというのは、今までに経験したことがありませんでした。その場にいるスタッフ全員も、悲しい気持ちになりました。あまりに悲しくて「お手洗いに行きたい」と言って、トイレで泣いたこともありました。もし、自分が40か50になった時に、自分のパートナーが死んでしまったら、どういう気持ちになるだろう? 当然、今の僕には、まだ想像すらできませんが、病院で撮影することで、それを体験することができて、とても貴重な経験でした」
チュンニン「仕事をする時は、オンの時の現場はとてもシリアスで真面目で、皆さん一生懸命撮っているのですが、オフの時は楽しい現場でもありました。ある日、台湾がすごい寒波の時に、高い山で重要なシーンを撮影することになりました。そのシーンは、ドラマの後半に登場します。私が先生から手紙を受け取ったシーンなんですが、その時の気持ちは、とてもシリアスでちょっと悲しいというものでした。ところが、撮影中に振り返ると、ジェリーか誰か忘れましたが、お二人のうちのどちらかが、お米でできたお酒とウィスキーをスタッフに配らせて、皆で楽しく飲んでいたんですよ(笑)」
ジェリー「僕も面白い話を思い出しました。ドラマの後半の撮影の時です。スー先生が彼女にふられて悲しんでいるんですが、僕自身も感情が高ぶってしまいました。それで、お酒を飲む場面で、ほんとうにたくさん飲んだんです。終わってから、皆で麺の店に食事に行ったら、着いた途端にとても気持ちわるくなり、吐いてしまいました(笑)」(会場笑)
レオン「撮影の過程で一番印象に残ったことというと、ツァイ監督はとても心を込めてこのドラマを作っていましたので、ロケ地については、台湾の北から南まで、すべての大病院の手術室が登場しているんです。すべての大病院の手術室に入ることができるなんて、滅多にない機会ですから、とても印象に深く残っています。今振り返ると、病院の手術室のガイドブックが書けるんじゃないかと思います(笑)。皆さんの役にも立ちますしね。そのくらい、監督はこだわっていました」
司会「では最後に、監督とジェリーさんからメッセージをお願いします」
監督「皆で力を合わせて、新しいドラマを作りました。このドラマは、間もなくNHKでオンエアされます。ご覧になって、ぜひ応援してください。皆さんに気に入っていただけたら、うれしいです」
ジェリー「ドラマを観て、僕たちが演じる人物と一緒に、泣いたり笑ったりしてください。また、このドラマを通じて、何かを伝えることができればと思います。僕自身、出演したことで、いろんなことを学びました。たとえば、周りの家族や好きな人、友人などを大事にするということです。困ったことや辛いことがあっても、とにかく前向きに立ち向かって行くことを学びました。ぜひ皆さんもドラマをご覧になって、同じような気持ちになっていただけたらと思います」
長い会見とフォトセッションでジェリーは少々おつかれ気味? 皆さん、おつかれさまでした。
ここで記者会見は終了。フォトセッションとなりました。もっとも、会見中の撮影も可だったので、ジェリーが正面を向いた時に、一斉にシャッターが鳴り、すごかったです(笑)。ジェリーは話している人の顔を見たり、ツァイ監督とおしゃべりしたり…で、横を向いていることが多かったので、質疑応答の時間が、貴重なシャッターチャンスとなっていました。
チュンニンちゃんは、かなり緊張していた様子。レオンさんはさすがに大人の貫禄で、余裕が感じられました。なかなか素敵なイケメン中年なので、ドラマがスタートしたら、ジェリーだけでなく、レオン・ダイのファンも増えそうな予感。監督もなかなかのイケメンですが、それもそのはず。子役から芸能界に入った俳優さんでもありました。
さて、いよいよ10月4日からスタートする「ザ・ホスピタル」。同じくNHK-BSで放映されている米ドラマ「ER」のように、重層的に物語が進むということで、厚みのあるドラマが期待できそうです。放送日を楽しみに待つとしましょう。
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