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「海角七号/君想う、国境の南」の愉快な登場人物たち

 12/26より絶賛公開中の台湾映画『海角七号/君想う、国境の南』。今年に入って各地でも上映開始となり、様々な話題を呼んでいます。この作品の魅力はなんといっても、登場人物たちのキャラクターの多彩さと面白さ。ここでは、そんな彼らの魅力をまとめてご紹介。まだ映画をご覧になっていない方は鑑賞前の予備情報として、そしてご覧になった方は彼らの魅力を再び味わってください。

アガ アガ(阿嘉):ロックミュージシャンを目指して台北で頑張っていたが夢破れ、台湾南部にある故郷・恒春に帰郷。継父の紹介で郵便配達を任されるが、やる気が起きない。配り切れず持ち帰った郵便物の中には、今はない住所宛の小包があった。そんな時、地元バンドのオーディションに駆り出され、メインボーカルとしてバンドを率いることになるのだが…。

ファン・イーチェン/ヴァン・ファン(范逸臣):02年にアルバム『范逸臣』でデビューしたシンガーソングライター。バラード王子のイメージが定着していたが、本作の大ヒットによりもともと好きなロック・ミュージシャンとして活躍できるようになる。2作目の映画出演は『愛到底』(09・未公開)。単独インタビューはこちら

友子 友子:撮影アシスタントとして金髪モデルたちに付添って恒春にやって来た友子。自分もモデルなのだが芽が出ず、日本の事務所からは通訳に転向しろと言われる始末。滞在中の恒春で中孝介のコンサートが開かれることになり、スタッフとして留まるも不満で爆発寸前の日々。酒癖もわるく、バンドのオーディションで知り合ったアガにあたり散らすのだが…。

田中千絵:1981年8月17日生まれ。98年、高校生の時にドラマ「美少女H」でデビュー。ジェイ・チョウ(周杰倫)のMV「七里香」や『頭文字D The Movie』(05)に出演したのをきっかけに、06年より台湾へ渡り活躍中。本作で一躍注目された。最新作は『愛情36計』。父はメイクアップ・アーチストのトニー・タナカ氏。現在は初主演台湾ドラマ「星光下的童話」の撮影中。最新情報は公式ブログ「台湾・一人修行」へ。

茂じいさん ボー(茂)じいさん:80歳を越すのに未だ現役で頑張っている恒春の郵便局職員。かつて覚えた日本語の歌を鼻歌混じりに口ずさみながら、意気揚々と配達中事故に遭い足を骨折。アガに配達を任せることに。人間国宝級の月琴名人でもあり、バンドのオーディションにも参加。ベースを担当していたローマーの父が怪我をしたため、ベーシストの座が巡ってくるのだが…。

リン・ゾンレン/ジョニー・CJ・リン(林宗仁):1945年生まれ。中国の伝統楽器・北管月琴の台湾国宝級奏者。楽団「潮和社」の団長でもある。本作のため髪を刈り上げイメージチェンジ。実は目立ちたがり屋のキャラが役柄とマッチし、金馬奨の新人賞に最高齢でノミネートされた。現在は俳優としても活躍中。ケン・チュウや飛輪海が出演したアイドル・ドラマ「桃花タイフーン!!」(09・BSジャパン放送中)にもゲスト出演している。

ローマー ローマー(勞馬):台湾原住民出身の警察官。もとは特殊部隊に所属していたが、危険な任務のため最愛の妻子とは別居するはめに。今は同じ警察官の父親と共に、恒春で交通整理の日々を送っている。楽器が得意なため、バンド・オーディションには父と共に参加。父はベース、自分はギターの担当に。常に原住民の誇りを持ち、アガと友子の恋を見守る。

ミンション(民雄):台湾原住民独特の風貌を持ち、同じく原住民出身の父親を演じたダンナイフージョンルー(丹耐夫正若)と素敵なデュエットも披露するミンションは、パイワン族出身のミュージシャン。99年にアルバム『跟著月亮走』をリリース。俳優として舞台やドラマでも活躍しており、バラエティ番組の司会も務めている。

ダダ ダダ(大大):教会でオルガン奏者をしているダダは、一度自分の世界に入ると周りが見えなくなってしまう女の子。その大人顔負けの率直さと傍若無人な気質は、ホテルで客室係として働く母親ミンジュにそっくり。バンドではキーボードを担当。常にクールでマイペースだが、メンバーとの触れあいの中でやさしい部分も見えてくる。いつの間にかBFも!

マイズ/ジョアンヌ(麥子):監督もびっくりしたほど度胸の座っているマイズはフリースクールの出身。ダダそのものの気質で、ピアノも演技も未経験だったが本作で天性の才能を披露。映画の中で歌った「愛[イ尓]愛到死」はレベッカ・シュー(許同恩)&レン・シャー(夏宇童)とのデュエット曲に。

マラサン マラサン(馬拉桑):隣町から地酒「馬拉桑」を売りにやって来た客家出身のセールスマン。人と会う時は開口一番「マラサ〜ン!」と必ず商品PR。その熱心さは、恒春のホン議長を感心させるほど。実はベースが弾けると発覚し、ボーじいさんに代わってベーシストに。バンドTシャツにもロゴを入れるほどの商売人だが、ホテルフロント嬢のハートも射止める。

マー・ニエンシェン(馬念先):1973年生まれ。インディーズバンド・糯米団(Sticky Rice)でギター兼メインボーカルとして活躍。バンド解散後はソロ活動と共に俳優としても活動開始。本作ではそれまでのイメージを覆す強烈な演技で注目された。08年には馬拉桑にちなんだベストアルバム『馬拉桑醉飽滿精選』をリリース。最新作はドラマ「青梅竹馬」(09)。最新アルバム『Mr.18 十八先生』ではコミカルなダンスMVも披露。

カエル カエル(水蛙):棒を持つとついなんでも叩いてしまうバイク修理工。もちろんバンドではドラム担当。社長の美人で色っぽい奥さんに横恋慕しているが、その思いはかなり純粋で本気。不倫も厭わず奥さんにアピールするため、コンサート直前には髪を赤く染めてやって来る。どうやら、奥さんの方もまんざらではなさそうだ。二人の仲は果たして…?

イン・ウェイミン(應蔚民):1970年生まれ。インディーズバンド・夾子電動大樂隊(The Clippers)の元メインボーカリスト。その後は俳優として『愛情霊薬B.T.S』(01)などに出演。個性派俳優として活躍中。最新作はモー・ズーイー(莫子儀)がロックミュージシャンを演じた『一席之地』(09)。


▼ファン・イーチェン ▼ウェイ・ダーション ▼記者会見
更新日:2010.1.28
●back numbers
その他の気になる出演者たち
中孝介 教師・本人:中孝介
台湾と日本をつなぐ重要な役所の本作で映画デビュー。コンサート場面では歌も披露する。ヴァン・ファンとのデュエットは感動的。
●中孝介公式ブログ
ゆらいブログ
*『海角七号』にまつわる話題もたくさん出ています。
レイチェル・リャン 60年前の友子:
レイチェル・リャン(梁文音)
60年前の恋のヒロインを演じるレイチェルも原住民出身の歌手。09年にデビューアルバム『愛的詩篇』を発表。本作のエンディング曲「風光明媚」は彼女の歌。
マー・ルーロン ホン(洪)議長:
マー・ルーロン(馬如龍)
恒春の町議会議長でアガの継父でもあるホン議長をコミカルに演じ、台湾金馬奨で最優秀助演男優賞を受賞。アガの母親役を演じたペイ・シャオラン(沛小嵐)とは本物のおしどり夫婦。

シノ・リン ミンジュ(明珠):
シノ・リン(林暁培)
ダダの母親で物語の鍵を握る重要人物。98年にアルバム『shino』でデビュー。以後ヒット曲にも恵まれるが、03年のベストアルバムを最後に女優に転身。本作で映画デビューを飾る。

張沁妍 メイリン(美玲):
アン(張沁妍)
友子が滞在するホテルのフロント嬢。マラサンを応援する内に惹かれていく。身長165センチと長身のアンは主にTVドラマなどで活躍し、本作が映画初出演。

馬拉桑醉飽滿精選
馬拉桑醉飽滿精選

Mr.18 十八先生
Mr.18 十八先生