●ソロ活動について
A「では、来年はソロ活動が中心ですか?」
W「ツアーの後は、自分のソロ活動をやりたいです。ソロ・コンサートでいうと、中国が多いんですが、BEYOND のツアーをやりながら自分のもやってるので大変です。」
A「静かな曲を唱う時とシャウトする時とは声が違いますね。」
W「大変かって? ファンの皆さんがが喜んでくれるのなら、ちっとも辛くはありません。舞台に立ったら、何も考えずにそのままの自分を表現するのが大事だと思っています。これは中国ツアーで経験を積んで得たメッセージです。実は、ドラマーからボーカルに転向するのはすごく難しいんですよ。
最初のアルバム・プロモーションで、初めてボーカルとしてステージに立ったら、すごく体が震えてビビりました。でも、中国のいろいろな地方で大小さまざまなライブをやりながら経験を積み、何が自分に合っているのか、何をしゃべったらいいか、ハプニングにどう対応したらいいかを学んだんです。」
A「じゃあ、今は自信がありますね。」
W「あります。どこでもいつでもかかってこいです。スピーカーとかマイクがなくても唄えます。」
そういえば、コンサート中の Wing の声は一際大きかった。
A「Wing は声が大きいからマイクはいらないですね。」
W「一度、中国の郊外の町でやった時、音響器材がよくなくて、ステージ上のモニターから音が出ないことがありました。これは自分が叫ぶしかないと思って思いきり叫んだら、スピーカーが飛んじゃった(笑)。結局、手前の観客しか聴こえなかったんです。」
●唱うことについて
A「声が大きいのはドラムを叩きながら唱っているからでしょうか?」
W「ドラムと歌はやり方が違うんです。ドラムを叩きながら唱うのと、立ってギターを持って唱うのも、方法が違うんですよ。」
A「どっちが好きですか?」
W「ギターを持って立って唱う方が好きです。坐ったら、一生懸命ドラムを叩くだけ。」
A「ではドラマーとシンガーとでは、どっちが好きですか?」
W「昔から、ドラムを叩くのはとても好きです。でも、自分でアルバムを出すとなると、唱う方がもっと表現ができる。歌にメッセージを込めて表現を伝えられます。だから、唱いながら作詞・作曲をする方が好きかな。自分のアルバムは自分で書くし、歌詞も8割は自分。編曲も自分のアイディアで動かして、そこにバンドのメンバーを加えながら作っていきます。自分のアルバムでは自分らしい表現ができる。やればやるほど表現できるんです。」
A「次のアルバムはどんな感じになるのでしょう?」
W「そんなに明るくはならないけど、悲しくもない。別の方向で伝える感じです。僕を支えてくれた友人たちに感謝の気持ちを伝えたいんです。」
A「では最後に、日本のファンの皆さんにメッセージをお願いします。」
W「僕を支えてくれたファンの皆さんに、感謝の気持ちを込めてありがとうと言いたいです。皆さんの応援には、言葉じゃなくて音楽でお返しします。僕としては、日本語の曲を作ってお聞かせしたいと思います。」
A「楽しみにしています。」
W「がんばります。言ったらやります(笑)。」
A「どうも、ありがとうございました。」
取材中もリラックスした雰囲気のWing でしたが、終わった後はさらに緊張も解け「今日は動くロボットを見たんだよ。」とうれしそうに、ビデオカメラに収めたアシモくんの映像を見せてくれました。2年前の来日時は、最愛の女性を失った直後でまだ傷心が癒えない頃だったと思うのですが、その後の日々の思いを新しいアルバムに込め、周りの友人やファンたちに支えられて、今年は元気な姿で来日してくれました。ソロ活動の経験も積んでさらに逞しくなったWing。BEYOND での活動開始と共に、また新たな気分で次のアルバム作りに励むことでしょう。これからのWing の活躍が楽しみです。
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