Asian Friends コンサートで
2年ぶりの来日公演
−ウィング・イップ(Wing/葉世榮)
4月3・4日に名古屋と東京で開かれた『第3回 Asian Friends コンサート』。2年ぶりの出演で来日した、香港の人気ロックバンド BEYOND のドラマー兼ボーカル、ウィング・イップ(Wing) こと葉世榮に、コンサートが終わった後の6日、オフの合間にお話を聞くことができました。ちょうど4日の夜に香港で発表された香港電影金像賞(香港映画アカデミー賞)で、BEYOND の曲「長空」(映画『無間道II(インファナル・アフェア2)』の主題歌)が最優秀オリジナル主題歌賞を受賞したこともあり、インタビューはお祝いの言葉から和やかにスタートしました。
(以下、A=アジクロ、W=Wing、G=Gypsy Queen のAkiさん)
*カタカナ部分はWing が日本語でしゃべっているところ。
Gypsy Queen の Shinon と。
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●Asian Friends コンサートについて
A「日本でのコンサート出演は2年ぶりということですが、今回はいかがでしたか?」
W「ファンがとても熱意を持って応援してくれているのはいつもと同じでした。ファンの皆さんの支えがあったからこそ、また来られたと思います。特に BEYOND の曲をやりながら自分の新曲も同時にやれたし、今回は日本語の歌も唱いました。」
A「日本語の歌、とてもよかったです。」
W「キイタ? あの曲は、12年前に黄家駒*が山中湖で作詞・作曲した曲で、広東語では『遥望』と言います。日本語の歌詞は日本の方につけてもらいましたが、この曲にはとても思い入れがあり、大好きな曲なのでぜひ唄いたかったのです。日本では『手紙』と言います。」
長年の BEYOND ファンにとってはちょっと辛い曲でもあったようだが、歌詞を見ながらも一生懸命唱うWing の声は日本語にぴったりと合い、美しく響いていた。
A「Wingの声は日本語で唱うととてもきれいですね。」
W「ホント? アンシン。…デモ、ジカンゼンゼンナイ。ほんとに練習する時間がなかったのですが、日本で唱う日本語の曲なので挑戦と思ってすごく頑張りました。」
A「次のアルバムには、ぜひ日本語の曲を入れてください。」
W「ソウソウ…ツギノアルバム…タブンニホンゴノウタ…ガンバル! ニホンゴノキョクヲ、ツクリマス! ガンバリマス!」
今回のAsian Friends コンサートには日本のGypsy Queen の他に、韓国の若手パーカッション・グループSANTAも参加。韓国の伝統打楽に舞踊やポップス、ヒップホップなどを融合させた独特のパフォーマンスを披露した。
A「今回いろんな国の方と共演してみてどうでしたか?」
W「いろんな国のミュージシャンとやるのは好きです。いろいろ勉強になるし、お互いの国のことを学びながら成長できるし。それに、終わった後は皆と友だちになれるのでとてもいい気分です。」
A「まさにAsian Friends ですね。」
W「Asian Friends! そう。とってもハッピー!」
A「韓国のSANTAのようなパフォーマンスは香港にありますか?」
W「香港だと、昔の粤劇などで太鼓を叩くことはありますが、SANTAのようなのは見たことがないですね。」
観客の反応に対してはどう感じていたのだろう?
A「東京と名古屋の反応は比べてどうでしたか? 名古屋はスタンディングで盛り上がったそうですが、東京は座席のせいか坐ったままでしたね。」
W「立ってるのもいいんだけど、あまり長い時間立っているよりは、坐った方がいいと思う時もあります。一番いいのは、立ってもいいし坐ってもいい。アップテンポの曲の時は立った方がいいし、バラードの時は坐って聴いてくれればと思います。」
お隣りにいるGypsy Queen のリーダーAkiさんに共演の感想を聞いてみた。
A「Wing と共演するのはどうですか?」
G「僕たちは2年前から一緒にやってるんですけど、彼の音楽は人の心に訴えるんです。特に彼の歌声は、日本人の好きになるタイプの声なんですよ。それに、スタイルが柔軟なのでとてもやりやすいですね。」
*注:黄家駒*/BEYOND のリーダーで中心的存在だったが、惜しくも不慮の事故で92年に夭折。
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