キーボード生演奏にあわせて美しいコーラスを 聴かせてくれました。
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●学生たちに多くの機会を与えたい。
L「作曲クラスにも学生はたくさんいて、今では彼らの多くの作品が、香港や台湾の歌手によって歌われています。これはとても嬉しいことですね。
組織としては、親会社の Eastern World Music の下に音楽学校があり、『豆腐街』というプロダクションで曲作りをし、『eWorldmusic Publishing』で版権をコントロールし、『Jam Records』でレコードを出しています。このようにグループ内で、一連の音楽に関する業務が全て行える組織となっているので、学生たちにも多くの作品を発表する機会を与えられるし、彼らがここで学んだ後も、引き続いて音楽と関わっていけるようになっているのです。
僕自身は事業家ではなくて、100%純粋な音楽人でしかないのですが、それぞれの分野に秀でた仕事上の素晴らしいパートナーたちに出会えて、これだけのことを成し遂げることができたというのは、一人の功績ではなく、皆の努力の賜物だと思っています。」
●ボーダレスになりつつある中華ポップスの世界。
S「現在の中華ポップス全体の状況というのはどうなっていると思われますか? 例えば、香港や中国大陸や台湾やシンガポールの市場にそれぞれ特徴があるとか…。」
L「今は、シンガポールも含めた中華ポップスの市場に、国毎の大きな違いというのはないように思います。逆に、それぞれの市場が今どんどん近くなっているのではないでしょうか。現在でも台湾では、ステファニー・スン(孫燕姿*)、タニア・チュア(蔡健雅*)、フィッシュ・リョン(梁静茹*)、ペニー・ダイ(戴佩[女尼]*)などのシンガポール・マレーシア出身の歌手が活躍していて、もう国別の大きな差はなくなっているとおもいます。
僕自身も、何年も台湾や香港、中国大陸、マレーシアをあちこち回っていて、それぞれの国と地域がもう自分の第二の故郷みたいなものになっていますし、また各地の音楽人と交流することによって、お互いが影響を受けて同じものを共有するようになると思うのです。」
●日本の皆さんへ。
S「現在、たくさんの日本人が中華ポップスに興味を持っていることについて、どう思われますか?」
L「とても嬉しいです。先日友人に『欧米でも君の音楽の知名度は上がっているよ』と言われたのですが、『本当に?』という感じでとても嬉しいです。
もちろん嬉しい気持ちだけではなくて、音楽というものはもともとひとつの万国共通語で、国境を越えていくものなのだなと思いました。だから、そんな音楽とこうして縁があって、音楽を通して全世界の音楽ファンとコミュニケーションがとれるというのは、素晴らしいことなのだと感じます。
今回このインタビューを通じて、こんなにたくさんの人々に自分の音楽を気に入ってもらえているということを知ったので、とても興奮しています。これからも、もっといい音楽を作って、皆さんの期待に応えるよう努力するので、変わらぬ支持をお願いしたいです。
また、日本の音楽ファンの皆さんとも、もっとお近づきになりたいです。簡単な英語でかまいませんので、僕のウェブサイト*のForumにぜひいらしてください。」
(2004年8月27日 李偉菘音楽学校にて)
取材後記
インタビュー場所は、オーチャードロードから少し外れたキリニーロードにある、彼の音楽学校のオフィスで行われました。全編中国語でしたが、非常に興味深いお話で、あっという間の45分でした。写真撮影にも気軽に応じてくれ、生徒たちを集めての「I Swear」のパフォーマンスには、その美しいハーモニーと流れるようなキーボード演奏に思わず聞きほれてしまいました。第二、第三のステファニー・スンやイーダが出てくるのも、そう遠くないことのような気がしました。(特別寄稿インタビュー by そう・みゆき in Singapore)
●リー・ウェイソン氏へのお便りメールを受付けます。
リー・ウェイソン氏への質問やお便りなどのメールをアジクロで受付けます。文章は英文または日本語フォントで表示できる中文、もしくは簡単な日本語でお送りください。日本語の場合は、シンガポール・レポーターみゆきさんのご厚意により、英文に翻訳していただけます。長文にならないよう気をつけてくださいね。
・メールの送り先:info@asiancrossing.jp (「リー・ウェイソンさんへ」と明記。)
・受付期間:2004.11.10〜2004.12.10(終了)
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