『靴に恋する人魚』の王子様
−ダンカン・チョウ
『靴に恋する人魚』の公開(9/9)に合わせて、主人公の王子様スマイリー役を演じたダンカン・チョウが舞台挨拶のために来日しました。5媒体合同でしたが、インタビューをすることができましたので、ビビアンの記者会見と合わせてご覧ください。
(質問、アジクロからの質問、ダンカン)
彼女のために日除けになったり…と、すごく優しい男性ですが、この役をもらった感想は?
ダンカン「もともと僕はそういう男なんです。(本人も記者も大爆笑)…違います(笑)。実際は難しいところがあって、あまりやり過ぎると観客にわざとらしく思われると思いました。やり過ぎると、ロマンチックでも面白くもなくなる。すごく嘘っぽくなるので、その辺はどういう風に表現するか、監督と話し合ってやりました」
具体的にはどのように注意して演じましたか?
ダンカン「映画は童話っぽいけど、スマイリーはリアルにやって欲しいと、監督は希望してました。わざとらしい演技ではなく、実際の普段の生活のような淡々とした演技で、感情もあまり顔に出さないようにと言われました」
ビビアンさんとの撮影中の雰囲気は?
ダンカン「すごく楽しかったです。とてもプロフェッショナルな女優さんだし、芝居についてもすごく細かい部分までいろいろと自分で考えていました。演技をしている時の彼女は普段の彼女とはまったく違うので、うっかりすると恋をしてしまいそうでした」
ドドが起きないよう日除けになるスマイリー
(c)2005 Focus Films Ltd.
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ダンカンさんの魅力は笑顔やフェロモンだと思うんですが、この役ではそれが押さえられているので、逆にそれが演技をしているようにも思えました。演技で心がけたことは?
ダンカン「自分とは違う役なので、そういう時に大事なのは自分を信じ、相手役を信じ、監督を信じることでしょう。後はリズムに気をつけました。動作がゆっくりしていると柔らかい感じが出るし、キビキビ動くと感性的になるので、体とかそういうものを全部調整して、その役に近づけていくのが大切だと思います」
童話のような世界で女性なら誰もが好きになるような映画ですが、男性から見るといかがですか?
ダンカン「彼女と観に行くのにいい映画じゃないでしょうか(笑)。自分がああいう生活をしたいかというとそれは別の話ですが、とてもロマンチックだし、映画全体はとても気持ちよく暖かみのある作品だと思います」
ドドみたいに、自分の愛する人が突然笑顔を失ったらどうしますか?
ダンカン「おしゃべりをしたり、どこかへつれて行ったり…それでもだめだったら医者に診せます(笑)」
スマイリーと違う所、似ている所は?
ダンカン「僕はあんなに我慢強くないし、あんなにやさしくて穏やかでもないし…多分、僕は彼女に対してはもっと厳しいかな(笑)。でも、努力はしています(笑)。好きな人にアタックしていくところは似ています」
「笑顔が素敵な歯医者さん」ということで、ビビアンさんがダンカンさんを監督に推薦したそうですが、笑顔が素敵と言われるのはどうですか? 自分の笑顔には自信あり?
ダンカン「僕は笑わない時の方がかっこいいと思うんですが(笑)。でも、笑ってる時のほうがいいとよく言われます。特に自信がある訳じゃありません」
もし自分の恋人や奥さんがあんなに靴を集める人だったら、どうしますか?
ダンカン「別の彼女を探します。(全員大爆笑)あまり、度が過ぎるのはちょっとね。1000足も家に靴があるとか…そんな部屋を見たら悪夢でしょう(笑)。きっとスマイリーもそう思ったと思いますよ(笑)」
ロビン・リーさんは美人監督ですが、監督の印象と撮影時のエピソードを教えてください。
ダンカン「僕も最初にお会いした時は、女優さんかと思いました。実際は映画界で、脚本とか記録とか助監督などいろいろな仕事をされていて、映画の事を知り尽くしている方です。でも、すごく不思議な人だなと思いました。脚本も深くて、自分が何を撮りたいのかがすごくはっきりしています。こんなに若いのに、こういう人はなかなかいないと思いました。きっとこれからはもっと素晴らしい、独特で変わった映画を撮っていかれるでしょう。すでにこの作品は、台湾映画の中では今までと違う新しい映画です。人によって好き嫌いはあるかもしれませんが、そういう意味でも観る価値のある作品だと思います」
香港出身ですが、今は台湾で活躍しておられます。台湾映画と香港映画の違う所は?
ダンカン「たしかに違いはあります。脚本のスタイルとかストーリーなどは違いますが、仕事としては、言葉以外で違いを感じたことはありません。自分に与えられた仕事をしっかりやるという点では同じだし、いい作品を撮りたいと思っている人はどこでも同じで、あまり変わりません」
ご自分で監督をしたいと思ったことは?
ダンカン「撮るとしたら、ウィンド・サーフィンに関するビデオになるでしょう(笑)。ハウツーものの」
最後の質問なので「今後の予定は?」と尋ねたかったのですが、監督や映画の話に流されてこんな質問をしてしまいました。同席記者の皆様、すみませんでした。でも、やっぱりウィンド・サーフィンなんですね。オチとしてはよかったかも? しかもコーチング・ビデオとは、スポーツマンのダンカンらしいお答えでした。
前半は映画の質問から、だんだん映画にかこつけてダンカン自身に迫る質問になっていましたが(笑)、ダンカンのジョークもたっぷり聞けて楽しい取材となりました。今回も笑い声が印象的。でも、陽気で明るいだけでなく、ナイーブな面も合わせ持った人です。それは昨年のインタビューで垣間見えますので、興味のある方はアジクロクリップ3号でどうぞ。
(取材日:2006年9月7日 キャピトル東急ホテル/5媒体合同取材)
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