●自分自身のこと
香港でのタイトルは「誠実な愛」(『撃愛』)という意味ですが、ディランさんにとって「誠実な愛」とは?
ディラン「やはり母が僕に対して注いでくれた愛情が、僕にとっては一番誠実な愛です。母が亡くなってからずいぶん経つのですが、子どもの時の母との思い出は忘れられない。真実の愛というと母の愛です」
ディランさんの悲しい目が印象的で、監督が起用されたそうですが、自分で好きな体の部分は? とても背が高いですが、得したことはありますか?
ディラン「特に満足している部分はありません。(一同笑)背が高いことで、得したこともあまりありません。役者としても得じゃないし、私生活ではむしろ目立ってしまいます。どこにいても目立ってしまうので、損することの方が多いです」と、意外なようでなるほどと思えるお答えでした。
雨のシーンで苦労したことはありますか? 個人的に雨音で思い出すことは?
ディラン「実は雨のシーンは人工的な雨なので、特に大変ではなかったんです。雨の思い出というと、学生時代はオートバイに乗っていたんですが、雨の日にレインコートを着て、後ろに彼女を乗せると、同じレインコートにすっぽり入るんです。体がぴったりくっつくので暑いけど、ロマンチックでした(笑)」
チョッカンみたいに、少年時代に大切にしていた宝物はありますか?
ディラン「子どもの頃によく遊んだおもちゃは、残っているものがあります。ぬいぐるみとか、プラスチックのおもちゃとか」
チョッカンの愛の形と実際のディランさんの愛の形とは違いますか?
ディラン「チョッカンは言葉では言わなかったけど、いろいろな行為で彼女に示していました。僕自身も多分、相手を好きになったら口で言うのではなく、自分の行動で分かってもらえる方法で、気持ちを伝えると思います」
●日本について
『BLACK NIGHT』に続く来日で、着実に日本のファンが増えているようですが、今の状況をどう思いますか?
ディラン「すごく感動してます。日本は子どもの頃から大好きで、ぜひ日本で活躍したいと思っていたので、日本に来ることができて、また日本の方に好きになってもらえるのでしたら、こんなに嬉しいことはありません」
日本の脚本で演じてみたいとか、日本の俳優で共演してみたい方はいますか?
ディラン「子どもの頃から日本のドラマを見て育ったし、日本の映画やトレンディドラマも好きなので、機会があればぜひ日本の作品もやってみたいです。自分から誰と共演したいと言う資格はないので、相手がどなたでも脚本がよければ、日本の監督さんの作品に出たいです」
好きな日本のドラマとは?
ディラン「『プライド』です。映画では、最近DVDで観た『世界の中心で愛をさけぶ』が一番印象に残っています」
●今後について
アンディ・ラウさんがお好きだそうですが、もしアンディさんの映画をリメイクするとしたら何を選びますか?
ディラン「たくさんありますが…『天若有情』(90年/邦題『アンディ・ラウの逃避行』)や、アラン・タムと一緒にギャンブラーを演じた『至尊無上』(89年/邦題『カジノ・レイダース』)かな」
ヴィッキー・チャオさんと共演した最新作『夜の上海』はどんな映画になりそうですか?
ディラン「ヴィッキーがタクシードライバーで、僕は修理工です。本木(雅弘)さんは、日本からやって来た凄腕のスタイリストという役です。ヴィッキーは修理工の僕を好きなので、すぐに車が壊れたとやって来ます。ある日、車が事故にあったから直しに来てと言われて行くと、本木さんがたまたまそこに居合わせます。僕がヴィッキーに『実は僕は明日結婚するんだ』と言うと彼女が泣き崩れ、それを本木さんが目撃してしまう…という、3人の1日のお話です」
来年公開予定の最新作も楽しみなディラン・クォ。取材時はたしか、今年4度目の来日でしたが、その後も相次いだ来日で、日本のファンも着実に増えているようです。インタビューでも語っているように、日本映画やドラマへの出演が実現するのも近いかもしれません。期待しながら、今後の活躍を見守りましょう。
(取材日:2006年9月13日 銀座東武ホテルにて)
前の頁を読む P1 | P2 |▼作品紹介ページ
|