『雨音にきみを想う』公開で来日
−ディラン・クォ
先月末の国際フォーラムでのイベントコンサートで歌うキュートな姿や、その後のファン・ミーティングでの様子が記憶に新しいディラン・クォですが、彼の映画デビュー作となった香港映画『雨音にきみを想う』が、いよいよ18日より公開されます。
この作品のPR活動のためにディランが来日したのは、華流スターの来日ラッシュが続いていた9月。作品に合わせたかのように雨が降る銀座にて、合同インタビューが開かれました。初めての映画出演に対しての感想や苦労話、共演したフィオナ・シッや名子役のチャン・チンユーちゃんとのエピソード、さらには最新作の話題など、いろんな話を語ってくれました。
(以下、質問、アジクロ、ディラン)
●『雨音にきみを想う』に出演して
ご自身の中でのこの作品の位置付けは?
ディラン「今まではドラマばかりでしたが、この作品でスクリーンデビューしたので、自分にとってはターニングポイントになりました。この世界に入って間違いなかったな、と思える作品です」
孤独に生きて来たチョッカンへの第一印象と、ウィンインへの愛を後押ししたものは何だったのでしょう?
ディラン「彼は愛に飢えていたと思います。家族愛、普通の愛…と。なんとか社会の一員として認められたいのに、いろいろあって社会の片隅に追いやられている。そんなチョッカンにすごく同情して演じていました。なぜ彼女を愛したかというと、彼女もすごく恵まれない境遇でしたし、彼女を守ってあげたい、彼女をそんな環境から抜け出させてあげたいと思った。つまり、彼女を自分と同じ世界の人間だと思ったからでしょう」
チョッカンという役柄は繊細で難しかったと思うのですが、ウィンインとの距離の取り方など気をつけたことは?
ディラン「彼はたしかに彼女を愛したけれど、愛する資格はないとも思っていたでしょう。悪いこともしていたから、引きずり込んではいけないと。でも、どうしても彼女のことが心配で、なんとかしてあげたくてたまらないという、どうしようもなさみたいなものを抱えていた。最初の方は、そういう矛盾した気持ちを思って演じました」
ラストシーンは観客に委ねるような形でしたが、ハッピーエンドと思っていますか?
ディラン「監督があえてそうしたのだと思います。必ずしも、すべての映画にはっきりとした結末がなければいけないという訳ではないし、こういう形の愛もあるんだということを伝えたかったのではないでしょうか」
撮影で大変なシーンはありましたか?
ディラン「やっぱり言葉が一番大変でした。スタッフも皆ほとんど広東語でわからないし、監督も広東語で演出するのでなかなか伝わらないし、脚本も読めないので。フィオナがすごく助けてくれました。意味を教えてくれたり、監督の通訳をしてくれたり、ローマ字で読み方を書いてくれたり」
●監督や共演者について
これまで3つの映画に出演されて、演出の違いなどわかったと思いますが、『雨音』ではいかがでしたか?
ディラン「ジョー・マー監督には映画のイロハを教えていただき、啓発されました。それまでは、テレビ的な大げさな動きをしていたので、映画の動きを勉強して欲しいと言われました。セリフで感情を表現するのではなく、目や仕種、表情で演技をして欲しいと。あらためて映画を学んだ監督さんです」
フィオナさんはどんな女優さんでしたか?
ディラン「すごく真面目で親しみやすく、心から人助けが好きな人です。頭もいいんだけど、それは人に見せないというか、発揮する機会があまりないようです。印象的だったのは、よく隅っこで一人で絵を描いてました。鉛筆デッサンなんですが、指が真っ黒になるまで描いてました。でも、何を描いてるかは見せてくれないんです。特別な集中方法だったのかもしれません(笑)」
シウヤウを演じた子役のチャン・チンユーちゃんは、大人に混じって堂々と演技をしていましたが、彼女から得たことはありますか?
ディラン「あります。ほんとうに役にすっと入れるんです。彼女は脚本を見てセリフを覚えるのではなくて、周りの大人が、次はこういうことをやるのでこうやって泣くんだよと言うと、ああ、わかりました、ってやるんで、ほんとうにプロフェッショナル。彼女を見て勉強したいと思います(笑)」(続きを読む)
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