『ドッグ・バイト・ドッグ』は
僕の大事な作品
−サム・リー
8月11日より公開中の『ドッグ・バイト・ドッグ』。公開初日の舞台挨拶をするために、主演のサム・リーが来日。舞台挨拶前日の午後、3媒体合同でインタビューをすることができました。取材ごとにTシャツを替えているというサム。香港のファッション・リーダーでもあるだけに、もちろん、着ているのは自分でデザインしたものでした。
(質問、アジクロからの質問、サム)
今回はかなりハードなアクションの連続でした。特に最後のエディソンさんとのバトルシーンなど、スタントなしでやられたのですか?
サム「スタントなしで、全部自分でやりました」
怪我をしたりしましたか?
サム「チョットダケ。だから、怒らせないでね」(怒らせると恐いよ、との意味)
バイオレンスのシーンもすごかったですが、一方でお父さんとの葛藤がある難しい役だったと思います。役作りはどうしましたか?
サム「撮影前に、脚本を何度も何度も読み返して消化し、芝居にどんな肉付けをしたらいいか、いろいろ考えました。もちろん、監督や出演者たちともセッションを重ね、どんな演技をしていくかプランを作っていきました。最終的には、現場で芝居の相手を見ながら、肉付けの仕方を変えていったりもしました。それがすべて上手くいったので、今回はこのような出来になったと思います」
当初は配役が逆だったそうですが、もしサムさんがパンを演じたとしたらどんな風になっていたと思いますか?
サム「脚本を見た時は、僕が殺し屋の役をやった方がいいんじゃないかと思いました。すると、ソイ・チェン監督が『観客が見たら君がパンの役だってすぐにわかってしまう。先入観ができてしまう。だから、今回は役を入れ替えたいんだ』ということで、エディソンと役を入れ替えました。入れ替えたというか、普段とは役柄が入れ替わっているような状態ですね。
正直に言って、もし僕がパンの役をやっていたら、エディソンよりもっと恐い芝居ができたはずです。それは、映画のラストで観ることができます。エディソンを追ってタイに行き、地下の格闘場で闘って人を殺しながら彼を待っているシーンの僕。それが、前半のエディソンの部分になるでしょう。あんな風になると思います」
映画の前半とラストでは、(サムの役柄が)まるで違う雰囲気になっていますが、差を出すために心掛けたことはありますか?
サム「少し変えたくらいでは、絶対にわかりません。特にラストは、髪を剃り上げて、眉も剃って、体もちょっと鍛えて、体つきから全部を変えて、変化を見せました。後半はセリフがなくて、とにかく闘って人を殺しているシーンばかりだったので、それだけでもある程度変化は見えますが、変えるのであれば全部変えようということで、大きく変えました」
ソイ・チェン監督は国内外で評価されていますが、一緒に仕事をされてどうでしたか?
サム「最初に会ったのは、コメディ映画を撮影している時で、まだ助監督でした。歳も僕より1つか2つ上くらいで、ほとんど同じなので、コメディ映画というのもあって、冗談を言い合ったりして、楽しく仕事しました。その次は、彼が監督になって、ホラー映画(『ノイズ』)を撮った時で、2日間ほどゲスト出演しました。その時は、あまり変わらないけど、ちょっと大人になったかなという感じでした。そして今回『ドッグ・バイト・ドッグ』で会った時は、全く別人のようでした。ほんとうに大人になっていました。監督として熟練したんですね。もちろん、この映画がリアルなバイオレンス・アクションだったので、前みたいに冗談を言い合うのとは違って、ちょっと厳粛な現場だったというのもありますが、彼自身の演技指導にしても、スタッフのコントロールにしても、とても成熟した印象を受けました」(続きを読む)
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