●Asicro People ではアジアと日本をつなぐ様々な活動をしている方たちをご紹介していきます。
韓国の俳優さんというと真面目な方が多いですが、そんな中、この人は面白いよという人はいますか?
田代「イ・ドンウクさんは面白かったです。ぶっきらぼうで全然媚びないし、どう思われてもいいです、僕、みたいな感じで、すごく好感を持っちゃいました(笑)。俳優さんにしては珍しく言動が面白くて。でも逆に、裏表がない感じで、彼が言うことは、ほんとにそう思ってるんだろうなと信じられる感じですよね」
ブログで拝見したのですが、クォン・サンウさんも面白そうですね。
田代「クォン・サンウさんは多分、思ったことをすぐに口にしちゃうから、大丈夫なの?それ言って…と、逆にこっちがはらはらすることはよくありますね(笑)。これは突っ込んでいいのかな?止めておいた方がいいだろうな、とかね(笑)。思ったことがすぐ、口を突いて出る人なので、嘘がない気がします」
昨年、取材されていたイ・スンギさんはいかがですか?
田代「イ・スンギさんは、今、すごくいいですよね。『キング Two Hearts』を見て、大人になったなあって思いました。発言もすごくバランス感覚のある人だし。以前は、ちょっと優等生過ぎると思ってた時期もあったんですが、バランス感覚がいいからそう取られるんだろうなって思いました。頭もいいし。それまでは、大人に言われた事をきちんと聞いてやっているという優等生イメージだったけど、今は自分に自信を持って、ちゃんと自分の判断でやるやらないを決められる、そういう意味での優等生な感じに変わりましたね。マナーもいいし、努力家だし、それが表れているし。あの演技はとても努力してると思うけど、自分ではそんなに難しくなかったと言ってたから、器用でもあるんでしょう。器用過ぎるのかもしれないけど、きっと隠れて努力してるんでしょうね」
好きな女優さんは、ハ・ジウォンさんだそうですね。
田代「特に好きと意識していたわけではないのですが、これまでに見たベストドラマをあげると、全部ハ・ジウォンさんの主演ドラマだったんです。『バリでの出来事』『チェオクの剣』『ファン・ジニ』『シークレット・ガーデン』と。やるせなさと、いじらしさと、その中で必死に強がっていて放っておけなくなる役を演じると、すごく上手いなと思って。『チェオクの剣』を見た時にベタ惚れしちゃいました。その後で、いろいろ取材をすると、皆が必ず、ハ・ジウォンさんはほんとうに性格がいいと言うんです。どんなに辛い現場でも何も文句言わずにやってくれる、と周りの人から聞くたびに、なんて素敵な人なんだろうと、勝手に好感度があがって、去年初めてお会いした時に、あ、やっぱりそう!と思いました」
実際にお会いになったのは、去年が初めてだったのですか?
田代「それまでは、ファンミや記者会見くらいだったので、1対1は初めてでした。短い時間でしたが、ほんとうに楽しそうな、福々としたオーラが出てて、一緒に仕事をしたら楽しいだろうなと思えるんですね。あんなにトップスターなのに、いつまでも奢ることがなくて、いつまでもかわいくて、いいなあと思いました(笑)。演技もほんとうに上手いし、確かだし、外れないし、演技に対する姿勢もいいし…いいですよね」
●思い出深いイベントと韓国と日本の違い
これまでいろんなお仕事をされていますが、特に印象に残っている出来事はありますか?
田代「(ちょっと考えた後で)2004年の6月だったかなあ…済州島で、豪華韓流スターが毎日、日替わりで出てくる5日間くらいのイベントがあったんです。日本のお客さんのためのファン・ミーティングでした。その司会を全部やったんですが、イ・ビョンホンに、リュ・シウォン、ソン・スンホン、チェ・ジウがいて、チャ・テヒョン、チャン・ヒョク、チョン・ジヒョンもいて…ていうぐらい、すごいイベントで。
スターたちも皆、済州島のホテルに泊まるので、そこら辺にいるんですよ。新人時代のヒョンビンもいたし、Shinhwa のキム・ドンワンもいましたね。8つのステージを全部一人でこなしたのでほんとうに大変だったんですけど、超豪華なスターたちの話を日替わりで聞けたのですごく面白かったし、今思うとほんとうに豪華でした。
でも、当時はこういうイベントが行われることを知らない人も多かったので、ファンはそんなにいなかったんです。200、300から…多くても500人くらいかな。超贅沢。今にして思えば夢のような…もうできませんね。それが、とても印象に残っています。当時、取材に来てた方たちも大変で、情報が錯綜して振り回されてました。皆で大変な思いをしたので、その時の記者の方たちとは今も同志みたいな感じになっています。
思い出に残っているのは、やはり最初の頃ですね。KNTV主催で『ブラザーフッド』の撮影現場に行くというのが、多分、日本人向けの最初のファンミだったと思いますが、その中でウォンビンのイベント司会をしたのです。あの時は、日本人が思うファンの集いと、韓国人が日頃やっているファンの集いとのイメージがすごく違って、ああ面白いなあと。異文化発見があって面白かったです」
韓国のファン・ミーティングってどんな感じなんですか?
田代「韓国の場合、ファンミに来るのは10代や20代と若いんです。日本みたいに年齢の高い人が来ることはないので、ファンの特技披露があったりします(笑)。お金を払ってファンの特技披露を見るって、変じゃないですか。そういう概念がまず違いますね。特技披露は必ず入れる、と向こうの人は言うけど、それはない!日本ではない!日本人は自分からアピールしないからやめてくれ、と(笑)。それから、最初に入場する時に、スターが薔薇の花を投げながら登場してみたりとか、演出がベタで(笑)」
ファンの自己アピールが濃いですね(笑)
田代「ファンクラブの会長を舞台に上げて、何かやるとかね。日本でやる場合は、年齢層も高いし、皆、公平にお金を払っているので、ファンクラブの人だけが楽しむのではなくて、皆が楽しめるようにしたい。そういう違いが、向こうの人も初めてだったので、多分わかっていなかったと思います」
韓国の人たちにも新鮮だったかもしれませんね。
田代「韓国ではあまりきっちり決めないでやるから、日本人はきっちり決めてやりたいから大変だった…みたいな感じでしたね(笑)。こちらからすれば、え〜!前日じゃなくて当日の朝決まるわけ?!…と(笑)」
そのアバウトさはアジア共通かもしれませんね(笑)。
田代「そうですね。日本だけが几帳面なのかもしれません」
でも、その几帳面さが、来日したスターの方たちにはプロフェッショナルに思えて心地よいみたいですね。
田代「時間通りに終わるから。でも、融通は利かない。お互いに一長一短ですね」
●『台北に舞う雪』で脚本家デビュー
田代さんというと、ずっと韓国というイメージだったのですが、突然『台北に舞う雪』で脚本をやられましたよね? これはどういう経緯だったのですか?
田代「韓国にはまるずっと前から脚本家にはなりたくて、シナリオセンターにも通って勉強していたんです。応募などもしていて。そんな思いがずっとありながら、韓国エンタメの道に入って行ったんですけど、たまたま韓流の仕事で知り合った方が映画を作りたいと思っていたんですね。その方が、今度、独立して映画を企画するから、自分も1作目だし新人とやってみたい、と。田代さんはアジアに詳しいし、台湾を舞台にした映画を企画したいから、一緒にオリジナルで作ってみませんか?と誘われたんです。以前、その方に、私は今は作品を紹介する立場だけれども、作品を書く人になりたい、と言っていたので、それを覚えていてくれて、思い出して声をかけてくださったんです。だから、お互いに1作目ずつの初チャレンジで、じゃあ、やってみよう!ということになりました」
台湾を舞台にする、というのは?
田代「台湾は日本の漫画を原作にしたドラマがすごく人気ですよね。特にあの当時は、日本の原作ものがすごい人気で、日本の原作だから付加価値がある、みたいな捉え方が台湾にあったんです。それで、日本の原作で、台湾を舞台にして、台湾の俳優さんを使った映画を作ったらきっとヒットするに違いない、と企画者は考えたのでしょうね(笑)」(次頁へ)
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