映画は映画だ(映画は映画だ/Rough Cut)
story
1人で映画を観ているヤクザのガンペ(ソ・ジソブ)。出演しているのは、映画俳優のスタ(カン・ジファン)だ。そんな出会うはずのなかった2人が、ある日偶然、同じ高級クラブに居合わせる。ガンペは手下にサインをもらいに行かせるが、高慢なスタは「本人に来させろ」と拒否。自ら部屋に乗り込み、サインをもらうガンペにスタは「短い人生、無駄にするな」と吐き捨てる。
その後、自宅でヤクザ役の台詞の練習をするスタ。なかなかそれらしく聞こえないので、ふと、出会ったガンペの声色を真似てみた。「だからお前はクズと言われるんだ」。一方、ホテルの一室で映画を観ているガンペは、スタに言われた言葉をつぶやいていた「短い人生、無駄にするな」。
その頃、スタは新作アクション映画のファイトシーンに取り組んでいた。ボン監督(コ・チャンソク)の「もっとリアルにできないのか」という要望で、相手役がスタをつい殴ってしまう。頭にきたスタもやり返し、相手役は大怪我を負うはめに。その結果、相手を引き受ける俳優がいなくなってしまう。困り果てたスタは、周囲の反対を押し切って、ガンペに「映画に出ないか?」と持ちかける。
最初は渋ったガンペだったが、自分ともガチンコで闘うことを条件に承諾。素人の参加を拒んでいた監督も、次第にリアルな映像に満足していく。共演している女優のミナ(ホン・スヒョン)もガンペに興味を持ったようだ。順調に撮影が進む中、スタはテレビで若い頃のガンペが端役で出演した映画を見かける。「演技、上達したな。本物の役者みたいだ」とガンペをからかうスタ。2人の距離は互いに縮まっていくようにみえた。
一方でガンペは、収監中で裁判を待つ身のボス、ペク会長(ソン・ヨンテ)から、同じ組織のパク社長を殺害するよう命じられる。パク社長の手の者がペク会長の家に侵入し、裁判で不利になる証拠を盗んだのだ。命令どおり、ガンペと手下たちは社長を滅多打ちにし、縛り上げて船に乗せる。あとは海へ沈めるだけという時、何を思ったのか、ガンペはスタの台詞を真似て言う。「遠くへ行け。死人として生きろ」。ガンペの心に変化が少しずつ訪れていた…。
●アジコのおすすめポイント:
長らく兵役についていたソ・ジソブが、韓国で本格的に映画に復帰した作品です。(復帰第一作は『ゲゲゲの鬼太郎/千年呪い歌』)相手役は、ドラマ「ガンバレ!クムスン」で注目されたカン・ジファン。今をときめく2大人気韓流スターの共演でも話題となりました。スチールからもわかるように、ヤクザのジソブは黒、俳優のジファンは白のイメージ。対照的なキャラクターが、映画を通じて心を通わせ、互いの生活にも変化が起きて来ます。しかし、タイトル通りに映画は映画、現実は現実。そこのところのシビアさも、しっかりと描かれています。共に映画を愛しているのに、対照的な生きざまになってしまうのも印象的。いかす男2人の演技対決と、怪我までしたという本気のアクションシーンをたっぷりご堪能ください。(ソ・ジソブの舞台挨拶はこちら)
|