2009.2.26 新宿ミラノ1(新宿)
キム・ギドク監督原案、2大韓流スター共演の話題作『映画は映画だ』が、14日より公開となりました。公開前のジャパンプレミアには、主演俳優のソ・ジソブがチャン・フン監督と共に来日。舞台挨拶がありましたのでご紹介します。
ソ・ジソブの公式来日は、昨年夏の『ゲゲゲの鬼太郎/百年呪い歌』のPR以来。当時、今は亡き緒形拳さんと並んでいた姿が懐かしく思い出されます。あの時の白いハンカチは、どうなったでしょうか…。さて今回は、これが監督デビュー作となったチャン・フン監督と一緒。舞台挨拶は映画の上映後に行われました。最初のご挨拶では、会場を埋め尽くした大勢のファンから大歓声が!
司会「初めて日本の観客の皆さんに観ていただいた感想は?」
監督「この映画を撮影している時も、公開された時も、たくさんの日本の皆さんがかけつけて、応援してくださいました。ほんとうに、ありがとうございます。今回、日本でも公開されることになり、ほんとうにうれしいです。皆さんに楽しんでいただければと思います」
ジソブ「今日は映画館を埋め尽くしていただいて、出演した俳優としてほんとうにうれしいです。公開前からこんなに関心を寄せていただき、ありがとうございます。(ここで、「…ハア」とため息)とても今、緊張しています。たくさんの方に観ていただけたので、どうぞ周りの方にもぜひこの映画を紹介してください」
司会「この映画を最初にご覧になった時の感想は?」
ジソブ「できあがったものを観て、自分でも驚きました。(またもや、ため息)隣に監督がいますが、ほんとうに素敵なガンペ(役の名前)を作っていただいてありがとうございました」
司会「ため息がセクシーですね。(拍手)この映画は2人の主人公の組み合せが魅力ですが、監督としてキャスティングにこだわった点は?」
監督「まず、シナリオを書いた時、まっ先に頭に浮かんだのがソ・ジソブさんでした。ガンペ役は韓国で最高の俳優にお願いしたいと希望していたんですが(ここでヒューヒューと野次まじりの拍手)、ほんとうに引き受けていただけました。ただ、最初にシナリオをお渡しした時は、スケジュール的に難しいとのことだったんです。数カ月後にもう一度、シナリオをお渡しした時には、もう前の仕事の撮影が終わっていたので、幸いお願いすることができました。初対面の時は口に出しませんでしたが、引き受けてくれてほんとうにうれしかったです。ソ・ジソブさんはキャラクターに対してほんとうに深い愛情を持っていたので、彼だったらいい映画ができると幸せな気持ちになりました。素晴らしい俳優といい仕事ができて、ほんとうに良い機会になったと感謝しています」
司会「この作品のどこに魅力を感じて参加を決めたのですか?」
ジソブ「とにかくシナリオが気に入りました。ガンペというのはヤクザではあるけど俳優を夢見ていて、もう片方は俳優だけどヤクザのように見える。この2つのキャラクターが素晴らしいと思いました。ガンペは映画の中で俳優になることを夢見ていますが、実は当時、僕も3年間ほど(兵役で)休んでいた期間があるので、心の中で早く演技をしたいと思っていて、その部分はガンペと通じていたと思います」
司会「ソ・ジソブさんにとって一番お気に入りのシーンは?」
ガンペ(ソ・ジソブ)とスタ(カン・ジファン)
(c)2008 SPONGE and KIM KI-DUK FILM
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ジソブ「ガンペがヤクザの仲間たちと、映画を撮ってみようと言って、ちょっとふざけているところですね。(拍手)あのシーンがとても好きです」
監督「私もそのシーンが好きですね。ガンペが出ている中では、とても愛情を感じる大好きなシーンです。カン・ジファンさんのシーンで気に入っているのは、最後の方。長く付き合っていた彼女とカフェで会って、もう一度恋愛を始めようとするところです」
司会「泥の中での乱闘シーンは撮影が大変だったと思いますが、なにかエピソードは?」
監督「俳優たちは大変でしたが、私自身はあまり大変ではありませんでした(笑)。でも、2人が怪我をするのではないかとハラハラして、とても心配でした。でも内心では、俳優たちが苦労した分、きっといいシーンができると思っていました。アクションがたくさんあったのですが、カン・ジファンさんはほんとうにアザだらけで大変でした。ソ・ジソブさんは、骨にちょっとひびが入ってしまいました。(「エエ〜!」と会場で心配の声)あまりにも一生懸命にやり過ぎて、本人は気づかなかったようです。ほんとうに2人は苦労したと思います」
ジソブ「今はもう治っています(笑)」会場拍手。
司会「どんなところが大変でしたか?」
ジソブ「アクションシーンを撮るために、事前にアクションスクールに通って、いろんなことを練習していました。こうきたらこうかわすなど、段取りをすべて頭に入れていたんですが、実際に現場に入ってみると、足は潜るし、滑るし…練習通りにはいきません。なので、ほんとうに殴り合ったいるような演技になりました。実際に殴ってしまったり、殴られたりということもたくさんありました。大変でしたが、とても楽しい撮影でもありました」
司会「置かれていた境遇に共感したということですが、その他の性格としてガンペと似ている部分、またここは違うという部分は?」
ジソブ「映画をご覧になるとわかりますが、僕はけっして怖くも残酷でもありません。見ての通り、とても穏やかです(笑)」会場拍手。
ここで司会の方が「映画ではちょっとムサいというか…男の色気がガーっと出た感じでしたが、今日はとってもすっきりとシャープですね」と言うと「今日はけっこう気を遣ってここに来ました(笑)」と返して、爆笑&拍手をとっていました。
司会「最後にご挨拶をお願いします」
監督「素晴らしい俳優といい作品が撮れて、ほんとうに幸せです。ソ・ジソブさんとカン・ジファンさんには素晴らしい魅力を感じたので、皆さんにお見せしたいと思い、2人の魅力を映画の中にたくさん盛り込みました。まだまだ2人は、たくさんの演技をやっていくでしょう。2人のこれからの出演作品にも愛情を寄せてください。そして、韓国映画をたくさん愛してください」
ジソブ「まず監督に、このような素晴らしいガンペを作ってくださり、お礼を言います。映画はこれからスタートしますが、これからも皆さんと頻繁に会えたらと思います。ありがとうございました」
という宣言通り、ソ・ジソブは先日の公開初日にも舞台挨拶のために再来日してくれたようです。その前の週末には、もう1人の主演カン・ジファンも試写会舞台挨拶で来日。取材できなかったのが残念ですが、ファンの皆さんは大喜びだったことでしょう。魅力的な2人のガチンコ演技対決が光る『映画は映画だ』。エンディング・テーマでは、シングルリリースも控えているソ・ジソブのラップも流れます。ぜひ劇場でお楽しみください。
▼作品紹介
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