王になった男
(光海、王になった男/Masquerade)
story
光海君8年(1616年)、朝鮮王朝15代目の王・光海(イ・ビョンホン)は、かつては民衆のためを思う聖君だったが、自分の命を狙う者からの毒殺に対する恐怖心から、日に日に暴君と化していった。不安を取り払うように、わがままの限りを尽くす光海。そんな中、信頼できる忠臣ホ・ギュン(リュ・スンリョン)に、自分の影武者を探せと命じる。
ホ・ギュンが目をつけたのは、妓生宿で漫談をしていた道化師ハソン(イ・ビョンホン二役)。堕落した国政と腐敗した権力を面白おかしく風刺していたハソンは、王と瓜二つの顔立ちで、王のものまねも完璧だった。何も知らずに宮廷に連れて行かれたハソンは、王と謁見し一晩を宮中で過ごす。
ところがある日、光海が謎の重病で倒れる。王の治療の間、ホ・ギュンはハソンに王の代役をしろと命じる。重大な極秘任務を、わずか銀20両の前金で引き受けたハソン。その日から、ホ・ギュンの厳しい教育と監視の下、話し方から歩き方、国を治める方法まで、すっかり王になり切って演じはじめる。
正体を知っているのは、ホ・ギュンと、ハソンを側で見守るチョ内官(チャン・グァン)のみ。忠臣ながら生真面目過ぎるト部将(キム・イングォン)や、王妃(ハン・ヒョジュ)にも実情は隠されていた。目覚めた瞬間から始まる王の独特な日常の習慣や業務に、ハソンは戸惑いながらも徐々に慣れていく。
兄が謀反の濡れ衣を着せられ、宮中で孤立している王妃を見かけたハソンは、なんとかして王妃を笑わせようとする。また、毒味役の女官サウォル(シム・ウンギョン)の不幸な身の上話を聞いたハソンは、理不尽な政策に怒りを燃やす。やがて、ハソンは単なる代役ではなく、自分の声で政務への発言を始めるようになっていく…。
●アジコのおすすめポイント:
昨年の韓国でスーパーヒットを放った豪華話題作。イ・ビョンホンが時代劇に初挑戦!ということでも話題になりましたが、初めてとは思えないほど見事に2つの役柄を演じ分けています。豪華な王の衣装もピッタリ。クールな王様を演じるビョンホン氏はこわ〜い雰囲気ですが、道化師のハソンはとても明るくてユーモラス。冒頭、下ネタもでてきますが、それもご愛嬌。氷のような王妃の心を溶かし、虐げられた民衆のために王として立ち上がる姿は、まさに胸のすく思い。そんな彼を王として尊敬し始める周りの人々も見どころ。今や助演男優賞の常連となったリュ・スンリョンをはじめ、『トガニ』で無気味な校長を演じたチャン・グァンが、心やさしい内官を演じます。史実を元にした、あったかもしれない物語。こんな人にリーダーになって欲しいと思うのは、万国共通でしょう。さて、ハソンの運命やいかに? 豪華絢爛な宮廷シーンと共に、スクリーンでご堪能ください。
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