愛してる、愛してない (Come Rain, Come Shine)
story
空港へと車を走らせる一台の車の中で、若い夫婦がたわいもない会話を重ねている。「スタジオを家に移すよ。遠くて不便だから」と彼(ヒョンビン)。しかし、彼女(イム・スジョン)は「私、出ていく」と告げる。「大丈夫?」戸惑いながらも彼は「大丈夫だと思う」と答える。
二人は結婚して5年になる夫婦。だが彼女は、他に好きな人ができ、彼との別れを決心する。相手は彼が知っている人だ。窓の外では雨が降り出している。彼女が出ていく日。荷造りをする彼女は、これまでの二人の暮しに想いを巡らせる。一方彼は、彼女が大事にしていたコーヒーカップを包み、思い出のレストランに予約を入れると、彼女のために美味しいコーヒーを淹れた。
建てつけの悪い扉の閉め方を彼女に教える彼。洗剤は液体がいいという彼女。まるで、これからも変わらぬ日常が続いていくような会話が続くが、何も言わず、優しい態度で接する彼に、彼女は次第にいら立ちを募らせる。「なぜ、私を怒らないの?」二人の間にはいつしか、別れが近づくことへの不安と緊張がみなぎっていた。
雨が激しさを増す中、一匹の子猫が迷い込み、二人の間の緊張が、一瞬、吹き消される。ずぶ濡れの子猫を保護した彼は、子猫に引っ掻かれてしまい、彼女が傷の手当てをする。二人の間に様々な想いが交錯する中、今度は猫を探しに来た飼い主の夫婦がやって来る…。
●アジコのおすすめポイント:
愛しあっていたはずなのに、正面からぶつからないまますれ違ってしまった二人の別れ。未練もあるけど、後にも戻れない。もどかしい時間が、雨を口実にゆったりと流れていきます。『アドリブ・ナイト』『素晴らしい一日』のイ・ユンギ監督が、今回も井上荒野の短編「帰れない猫」を映画化。主演はドラマでも大人気のヒョンビンとイム・スジョン。雨も降っているし、子猫も出て来ないし…それでも、二人は別れてしまうのか? 電話の声のハ・ジョンウもいい人そうだったしなあ。二人のドラマはまだまだ続きそうです。
|