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ただの友達?

監督・脚本:キム=ジョ・グァンス
撮影:キム・ミョンジュン
音楽:キム・ドンギ
出演:イ・ジェフン、ヨン・ウジン、イ・ソンジュ、イ・チェウン

2009年/韓国
日本公開日/2013年8月17日
カラー/HD/29分
配給:ツイン
(c)Industry Inc

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ただの友達?(Just Friends?)

story

 鉄原(テウォン)行きのバスに乗っているソク(イ・ジェフン)はウキウキしていた。これから、入隊した恋人のミンス(ヨン・ウジン)に面会に行くのだ。隣に座る若い女性(イ・チェウン)も恋人に会いに行くと話し、お菓子を持参していた。だが、調理師をめざすソクは手作りチョコレートを持参していた。

 面会申請書の間柄に「恋人」と書いてしまったソクは、新しい申請書をもらえず、念入りに裏表を塗りつぶし、複雑な思いで「友人」と書き直した。そして、面会室でミンスと再会。バスで隣りにいた女性も恋人と会っている。ソクがプレゼントを渡そうとしたその時、ミンスの母親(イ・ソンジュ)が現れる。

 ミンスと母親は近くの宿に宿泊することになる。ソクのことを母から尋ねられたミンスは、古くからの友人と紹介。「玉友達(幼なじみ)ね」と言われ、2人は安心する。2人きりの場所で手作りチョコを渡すソク。彼は、離れている期間を短くしたいから来月入隊する、とミンスに伝える。

 その夜、終バスを逃したソクは、ミンスたちの部屋に泊まることに。3人並んで眠りにつくが、母親が熟睡したのを確かめ、ミンスとソクは愛し合う。翌日、母親が近くの聖堂見物にでかけた後、二人は再び部屋に戻って愛し合うが、財布を取りに帰った母親に見つかってしまう…。

●アジコのおすすめポイント:

キム=ジョ・グァンス監督が「99.9%真実のゲイ映画を作りたかった」という思いを込めた作品です。約2年間の義務兵役という韓国ならではの慣習がカップルに及ぼす影響を、男女両方の側面でも描いています。主人公の2人を演じるのは、11年の『Bleak Night』と『高地戦』で注目され、公開中の『建築学概論』にも出演しているイ・ジェフンと、ドラマ「アラン使道伝」でチェ・ジュワルを演じたヨン・ウジン。本作がデビュー作で、当時はソ・ジフという名前で出演しています。2人とも、まさに体当たりの熱演です。冒頭とラストにミュージカル仕立ての歌が流れますが、エンディングの2人の女装姿にも注目です。勇気を持って、堂々と街中でキスをするゲイ・カップルたちに祝福あれ。


少年、少年に会う

監督:キム=ジョ・グァンス
脚本:キム=ジョ・グァンス、ミン・ヨングン
撮影:キム・ミョンジュン
音楽:キム・ドンウク、キム・ギヨン
出演:キム・ヘソン、イ・ヒョンジン、イェ・ジウォン

2008年/韓国
日本公開日/2013年8月17日
カラー/HD/14分
配給:ツイン
(c)Industry Inc

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少年、少年に会う(Boy Meets Boy)

story

 暖かい春の日、小柄な少年ミンス(キム・ヘソン)はバスに乗っていた。ところが、バッグからフィルムが転げ落ちてしまう。フィルムが行き着いたのは、ある少年の足元。背が高くて、肩幅の広いその少年を見て、ミンスの心臓はどきどきし始める。 そして、拾ったフィルムを彼から手渡された時、ミンスに電流が走る。

 もしかしたら…ミンスはバスを降りてみた。背後に気配を感じながら歩き、立ち止まり、また歩き始める。確信を持って振り向くと、そこには誰もいなかった。彼、ソク(イ・ヒョンジン)はミンスの目の前にいたのだ。そこに天使(イェ・ジウォン)が現れて、出会いのこつを教える歌を歌い始める。

●アジコのおすすめポイント:

キム=ジョ・グァンス監督が自身の体験をもとに初めて監督した短編作品です。これは初恋の思い出なのでしょうか? 中学生にも見える主人公を演じる美少年は、『ジェニ、ジュノ』のキム・ヘソン。当時は20歳くらいなのですが、童顔ですねえ。恋に落ちる相手役は『Mr. アイドル』のイ・ヒョンジン。『オールド・ミス・ダイアリー』のイェ・ジウォンが恋の指南役となる天使として登場しています。恋のはじまりのドキドキ感は男女とも同じなのですね。


愛は100℃

監督:キム=ジョ・グァンス
脚本:キム=ジョ・グァンス
撮影:キム・ミョンジュン
出演:キム・ドジン、クァク・ジェウォン

2010年/韓国
日本公開日/2013年8月17日
カラー/HD/22分
配給:ツイン
(c)Indiestory Inc.

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愛は100℃(Love, 100℃)

story

 聴覚障害を持つミンス(キム・ドジン)は、弟のキョンスと共に公衆浴場にでかけるが、弟は弱々しい兄のことを普段からバカにしていた。キョンスが途中でデートに逃げ出したため、ミンスは一人で浴場へ入る。身体を洗っていると、アカすりの青年(クァク・ジェウォン)が「今日は一人だね」と声をかけてきた。

 ヒマだから無料でアカすりをしてくれると言うので、ミンスは洗い台に横たわる。身体中を丁寧に洗ってもらっている内に、彼が欲情していることに気づいたミンスは、衝動を抑えられず100℃のサウナルームで関係を持ってしまう。

 学校で虐められているミンスは、恋人と思っていた同級生からも辱められ、失恋する。それ以来、ミンスは足繁く浴場に通うようになるのだが…。

●アジコのおすすめポイント:

本作のテーマはずばり「性欲」。監督によれば「自分がゲイかどうか確信が持てず、苦悩を募らせる思春期の少年を描きたかった」(アジアンクィア映画祭)とのこと。他の2作品はハッピーな物語になっていますが、本作では2人とも偏見に傷めつけられ、苦い結末を迎えます。エンディングロールで流れる「ダニーボーイ」が印象に残る作品です。

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