神の一手(神の一手/The Divine Move)
story
囲碁のプロ棋士テソク(チョン・ウソン)は試合に負けた夜、兄のウソク(キム・ミョンス)に1度だけと指導対局を頼まれる。それは賭け碁の席で、隠しマイクと隠しカメラによって打手を指導するイカサマ碁で、危険な勝負だった。兄の窮地にやむなく引き受けるが見破られ、兄は殺され、テソクは濡れ衣を着せられて刑務所に入る。
対戦したのは、賭け碁の元締めで冷酷なサルス(イ・ボムス)の集団。賭場を取り仕切る彼らも、選手(チェ・ジニョク)に指導対局をさせ、陰で試合を操作して大金を儲けていた。指導しているのは華僑のワン(イ・ドギョン)と、サルスの愛人で元女性プロ棋士のペッコム(イ・シヨン)だ。
服役中、組織のボスで囲碁好きなキム(チェ・イルファ)から腕を見込まれたテソクは、アマチュア囲碁に熱心なパク所長(キム・ホンパ)に取り入ってキムの外出許可を取り付ける。替わりに1ヶ月独房に入るが、隣の独房にいた謎の人物に壁越しの対局を挑まれ負け続ける。そして「貫鉄洞のジーザスを訪ねろ」と教えられるのだった。
キムに喧嘩の指導を頼み、見違えるように逞しくなったテソクは出所。キムから借りた資金を元に、兄の復讐の準備に着手する。最初に探したのはジーザス(アン・ソンギ)と呼ばれている男。路上で碁をさす彼は盲目の浮浪者だった。敵がサルスと知り、ジーザスはかつての仲間モクス(アン・ギルガン)も召集。テソクはお調子者のコンス(キム・イングォン)も仲間に引き入れる。
その頃、サルスは中国から連れて来た囲碁の天才を仲間に加えようとしていた。それは、リャンリャン(アン・ソヒョン)という幼い少女だった。
●アジコのおすすめポイント:
眼鏡をかけた真面目で気弱なプロ棋士が、目の前で兄を殺されて変身。強力なチームを組んで敵に挑み、復讐を果たしていく物語です。こんなチョン・ウソンは見たことがない!こんなイ・ボムスは見たことがない!と思わせるほど、キャラクター造型がよくできており、どの登場人物も個性的。漫画が原作ではなさそうですが、まず先に漫画によるキャラクター造型があり、俳優たちはそれに合わせて撮影に入っていったようです。監督は『クィック!!』のチョ・ボムグ。本作でもキム・イングォンが大活躍しています。そのほか、名優アン・ソンギ、味な脇役のアン・ギルガン、チョン・ヘギュン、イ・ドギョンと芸達者が揃い、イ・シヨンと『ハウスメイド』以来人気子役となったアン・ソヒョンも重要な役柄で登場。韓国では公開10日間で200万人を突破したというのも納得の面白さ。頭脳戦による復讐劇は、最後まで目が離せません。続編もぜひ観たいものです。
|