すれ違いのダイアリーズ(The Teacher's Diary)
story
2012年。学生時代にレスリングに明け暮れていた青年ソーン(スクリット・ウィセートケーオ)は恋人のナム(チュティマー・ティパナート)から定職を持つよう叱られ、体育教師になろうと面接を受ける。ところが、教師経験がないのに採用決定。誰も行きたがらない、山奥の湖に浮かぶ水上学校に赴任させられる。そこは電気も水道もなく、携帯電話さえつながらなかった。
2011年。エーン(チャーマーン・プンヤサック)は手首のタトゥーを校長に咎められ、反抗したせいで山奥の水上学校に転任させられる。生徒はたった7人。学年もばらばらだ。それでも期待を胸に同僚のジージー(マニーラット・シーチャルーン)と新たな毎日をスタートさせる。ところが、給水タンクからヤモリが出たり、トイレに水死体が流れてきたりと散々な目に遭ってしまう。
エーンは毎日の出来事を日記に綴り、かわいいイラストを添えていた。学校で寝泊まりし、こどもたちの昼食も作る毎日。しかし、ジージーは逃げ出してしまい、今はひとりぼっちだ。離ればなれになった恋人ヌイ(スコラワット・カナロット)のことも気にかかる。
ソーンは舟で学校が始まったことを伝えに周り、4人の生徒がやって来た。学年はばらばらで、どう授業をすればいいかもわからない。週末に町へ戻ると、ナムは新しい彼氏を二人の部屋に連れ込んでいた。大喧嘩で別れたソーンは失意のまま学校へ戻る。そして、赴任した時に黒板の上で見つけたノートを開いてみた。それは前任教師の日記帳だった…。
●アジコのおすすめポイント:
一冊の日記を読みながら相手のことを想像し、やがて恋に落ちるという素敵なラブストーリーです。湖に浮かぶ学校や、微妙に時間がずれた二人の出会いなどは、韓国映画の秀作『イルマーレ』をも彷佛とさせます。同じ状況、同じ経験をたどりながら、日記を通じて学び成長していく男性教師。子どもたちとの絆を自力で築いていった女性教師。そんな二人が果たしてどうやって出会うのかは、映画を観てのお楽しみ。監督は『フェーンチャン 僕の恋人』で6人の監督の中にいたトンさんこと、ニティワット・タラトーン。実際にあった2つのお話を組み合せ、美しい恋物語を作りあげました。主演はオーディション番組出身で今やスーパースターのビーことスクリット・ウィセートケーオと、『地球で最後のふたり』や『ミウの歌』にも出演している演技派のプローイことチャーマーン・プンヤサック。この二人のキャラは、ジアップとノイナーにも重なってしまうのですが…それは、監督へのインタビューをご覧ください。
|